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- 「うつ病で治療中の50代男性から、社会的治癒のことで」
うつ病で治療中の50代男性から社会的治癒のことで
うつ病で現在治療中の50代の男性から相談。
初診日は平成16年。1年間通院したのみ。
以降、しばらく治療はせずに就労して普通に生活を送っていた。
令和5年1月から定期的にクリニックを受診し、治療を再開した。
が、そのしばらく前から受診した事実があるという。
「平成16年の初診の当時、年金事務所に相談したところ、初診日に年金制度に加入していないことで、申請できないと言われてできなかった記憶があります。
サイトで調べたところ、長い期間、治療していない期間があるため、平成16年を初診日としないで請求できるのではないかと思いました。
どうなのでしょうか?」
※社会的治癒について
社会保険の運用する上で、傷病が医学的には治癒に至っていない場合でも、予防的医療を除き、その傷病について医療を行う必要がなくなり、相当の期間、通常の勤務に服している場合には、「社会的治癒」を認め、治癒と同様に扱い、再度新たな傷病を発病したものとして取り扱うことが許されるものとされている。
(平成26年厚生年金892号-裁決集2015年)
ほぼ4年近く、平成16年の初診日から1年通院して、その後、10年以上も治療を受けるこなく、通常労働者と変わりなく勤務していたとすれば、おそらく社会的治癒と認められることになるだろう。
精神疾患の社会的治癒には他の内部疾患のものと異なり、「検査数値等の異常値の有無により寛解かどうか」を証明できないという難しさが伴う。
このことから、過去の認定例や裁判の判例を基にして、判断するほかない。
相談者が言われているのは「社会的治癒」のことであるが、上記のように精神疾患では「こうだから寛解」という検査数値等が存在しない。
この方の場合には、さらに令和5年1月の前に受診したとあり、「それがいつ頃だったのか?」によって「その日を初診日とするのか?」、「加入している年金制度は何なのか?」、また、「障害認定日が何時になり、その際の障害等級はどうなるのか?」と、いろいろなことが変わってくる恐れがある。
また、「社会的治癒に本当に該当するのか?」ということを、きちんと立証できるように資料を収集して確認する必要がある。