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- 障害年金全般
- これまでにいただいたご相談の内容
- 「最近、転医した病院で 発達障害と診断された20代の女性から」
最近、転医した病院で発達障害と診断された20代の女性から
高校生の頃に躁鬱病と診断されてから通院治療を継続中。
最近に転医してADHD(発達障害の一種)と診断された20代の女性。
現在はフルタイムで働いているが、体調が良くないため、障害者雇用制度を利用しての転職を思案中。
「現在も単身生活をしています。
仕事はフルタイムでしていて、職場には障害のことは話していません。
現在は厚生年金に加入中です。
最近に転医した先でADHD(発達障害)と診断されたので、この病院を初診日として発達障害で障害厚生年金をもらえるように思えるのですが?
県外へ移転して障害年金をもらいながら、障害者雇用により就職して単身生活をしようと思っています。
転医前のクリニックでも、現在、転医した病院でも障害年金は無理ではないかと言われています。」
社労士の資格を持ち、障害年金の申請代行業務を行ってはいる。
ただ、認定基準に該当するからとして、主治医が診断書を書かない可能性が存在する場合には、それが患者自身の病状の悪化を予期してのこと等という医療における正当な理由からの指示であれば、社労士も主治医の判断に従うほかない。
健康保険法でも、医師の指示に従わない場合には、医療保険を使用できなくなる場合を規定されている。
医療の継続ということ、病状の悪化の防止ということ等を、社労士も当然に最優先すべきものである。
現在、20歳前に初診日があることから、20歳前の障害基礎年金での申請となる。
精神疾患の場合には病名が途中で変更されることがしばしばあるが、病名が変わっていても一番最初の病院が初診日とされる。
現在、転医した病院で発達障害と診断されていて、その主治医に「障害年金は無理なのでは」と言われていることから、当事務所でも今は申請できるとは申し上げられない。
現在、単身生活していて、しかもフルタイムで就労していることを考えると、特に何ら職場からは配慮もないということから、障害等級は3級にすら該当しないのではと推察。
このことから前の、また今の病院の主治医も「障害年金の申請は無理だ」と言われているのだと思う。
さらに、「県外へ転居」して、「病院を転医」して、「職場も転職」して、ということを主治医が認めるかどうかということを考えると、まず、医師の立場からは「医療の立場からは認められない」と言われることと思われる。
医師の療養の指示に従わず、病状を悪化させることは医療保険制度が使用できなくなる心配もある。
そして、「転居先で障害年金を申請できるのか?」と尋ねられると、「できない」としか答えようがない。
患者はきちんと主治医の指示に従う義務が存在するため、おそらく主治医も本人のこの希望を聞いた上で、社会保険制度だけではなく、医療の立場から、「申請できない」と言ったとも思える。
そう推察すると、当事務所も「転居先でもらえるのか?」と尋ねられても、通常、そういう「障害年金をもらっている方が県外転居し単身生活をして転職する」ということが考えられない。
このような事情から契約して主治医の意見をお伺いする前に、安易な答えをすることはできず、「申請できない」と答えるに至った次第。
実は、2017年頃から発達障害は通常の精神疾患の場合と障害認定上、就労を伴う際の取り扱いが変更されている。
「就労しているから2級に該当しない」という通常の精神疾患の場合とは、異なる認定例が存在する。