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- 「発達障害の50代男性の母親から」
発達障害の50代男性の母親から
発達障害らしい50代男性の母親から電話で相談。
サイトから入力をすることができず、知人からの紹介だと言われて対応。
幼少のころから、「少し違和感を感じた」らしいが、特に児童相談所でも知的障害でもなく、検査を言われたこともなかった。
2ヶ月前に、初めて精神科の病院を受診して診断書を作成。
母親自身が市役所へ障害基礎年金の申請をしたところ、窓口で専門家に相談をと勧められた。
そのため、あちこち相談したところ、当事務所のことを紹介され、相談した次第。
「私ももう歳を取ったし、息子のことが気がかりで。
やっと障害年金の申請までこぎ着けたと思ったら、市役所で専門家に相談をと言われました。
母親の私が何もわからなくて、今まできてしまって・・・。
どうなんでしょうか?息子は障害年金をもらえるのでしょうか?
診断書などは市役所に預けてありますが、訝しげな様子で気になります。
主治医の先生からは、これは先天性の病気だから生まれたときからだから申請できると説明されています。
どうなんでしょうか?」
発達障害と知的障害のことを、主治医はたぶん、医学的な見解と同じように、障害年金のことを言われたのだと思う。
が、医学の世界と障害年金を含む社会保険の世界では、常識となることが異なることがしばしば存在する。
加えて、発達障害については、平成28年度あたりから、認定の状況が変化しており、このことについて私は「発達障害についての認識が高まったことによるものではないか」と考えている。
世間の常識が時とともに移り変わるように、この障害年金の世界でも、また医学の世界でもまた新しい発見等により変化をしていくものである。
生活が苦しいのであろう。
お母さんは「息子を一人残しては・・」と息子さんのことを案じ、また「診断書料金を1万数千円支払ったのに・・」と不満げであった。
私は、かつて、我が子のことで県手をつなぐ育成会にて役員をしていた等、盛んに活動をしていたことから、このお母さんの気持ちが痛いほど理解できる。
が、結論としては「初診日からまだ2ヶ月ということで、1年6ヶ月後の障害認定日までは申請できない」とお答えするほかなかった。
お母さんは何度か、食い下がられていたが、「すみません」としか言えず、電話をお切りした次第。
ご提案の内容
1.1年6ヶ月後の障害認定日を待って、今度は専門家に相談して手続きを進めること。
2.主治医にもその時点でまた診断書作成をお願いしてみること。
3.その他の要件について今回は確認していないが、全ての要件を満たせなければ、申請を行うこともできないこと。
4.今回の診断書の費用は、自己責任として受け止められること。
5.知的障害は生まれた時を初診日として、また発達障害は最初に病院にかかった日を初診日として、取り扱うようになっていること。
社労士としての感想
私、社労士も我が子のことで苦労したし、そのこともあってうつ病から始まり、難病も・・となっていったことから、このお母さんの親としてのお気持ちが痛いほどわかり、返事をすることが辛かったです。
でも、申請して不可となるよりは、申請できても認定されないとわかるときには、私は「お金がもったいないから」とお引き受けしません。
「事務手数料はほぼ全てうちではレターパックプラスの代金に消えます。認定にならなかったら、うちは丸損ですから、だから成功報酬なんですよ。認定取らないとうちは廃業しますからね。」
普段はこう、冗談めいてお断りしています。
それが、今回はどうしても笑えないことで、謝りながら電話を終えるしかありませんでした。