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「双極性障害の20代女性から」
双極性障害と診断された20代女性からご相談。
1.病状及び日常生活の状態等
うつ状態の時は、朝起きられない、起きても立ち上がれない、トイレに行けない、ご飯が食べれない、家事は週に1〜2回夜だけご飯を作るくらいで、掃除機や洗濯機はできず夫に任せている。
私が掃除ができないため、部屋はいつも荒れていて汚い。
お風呂は夫に何度も促されなければ入れない。入れても髪は洗えなかったりする。
髪を洗えた日も、自分で髪を乾かす元気はなく、夫に乾かしてもらっている。
薬の管理も自分ではできず、無くしたり飲み忘れが激しいため夫がサポートしてくれている。
病院への通院も夫が送り迎えしてくれている。
夜もすぐに眠れない。
また、悪夢もよく見るために中途覚醒が多く睡眠の質が悪い。
そのため、眠気で仕事に行けない日もある。
躁状態の時は、車で1人で出かけて散財して帰ってきたり、ネットショッピングが止まらなかったり、仕事も出来るわけないのにシフトを詰め込んだりする。
躁状態の時は1人で行動できるため、その時に通院することもあり、躁状態の私をみて心療内科の先生は寛解と言っている気がする。
気分がいい時は、突然部屋の大掃除を始める。
料理も食べきれないくらい作ることが多い。
2.初診日 令和3年6月
同年9月 転医
令和5年6月 現在の病院へ転医
3.初診日の当時に加入していた年金制度 国民年金
4.就労等の状況
躁状態とうつが繰り返されることで当日欠勤が続き、ほとんどクビに近い形で退職。
経済的に余裕がないため、就労は何年も無理をして働いており、躁状態の時に面接を受け働き、うつ状態の時は出勤ができない。
そして数ヶ月ですぐ退職という形を繰り返しているため毎年収入はあった。
電話対応が苦手で、焦るとパニックになることがある。
その際はすぐに誰かにかわるように言われている。
障害者手帳はなし
「遡り請求ができるのか知りたいです。
現在の病院では、寛解と言われている期間がありました。
ただ、2ヶ月に1回は通院しており、その時の状態が躁だったことがとても多いです。
夫の話では、精神の不安定さはあり、寛解してなかったように思うとのことでした。
また、夫の協力があるのですが、それぞれのプランどれを選ぶと良さそうか知りたいです。」
1.全体として
初診日の令和3年6月2日ではまだ19歳ということで、「20歳前の障害年金」。
20歳前の障害基礎年金が支給となる。
20歳未満ということで、保険料納付要件は問われない。
「初診日当日は国民年金加入。滞納はない。」と記入されていることから、仮に「就労されていても厚生年金には加入していない」と判断。
「現在、3カ所目の病院では「寛解」と言われていた時期がある」とのこと。
以上のことを前提に次のとおり、お答え。
2.まず、現在の病院の主治医に「障害年金の請求をしたいのですが?」と診断書の作成を尋ねるように。
上記①より、診断書を書いてもらえない可能性があり得る。
その際には、今回、お送りいただいたメールに記載の病状に関する内容を、そっくりお見せした上でご相談されることをお勧め。
双極性障害や統合失調症では、外見から見て、良い時期と悪い時期が存在。
悪い時期に診察を受けて診断書作成をしないと、症状を勘違いされて受け取られている可能性がある。
できれば、主治医の診察の際に、旦那さんにも同席してもらうことをお勧め。
国民年金なので、障害等級が2級以上であることが必要。
メールの内容からは2級以上であると推察される。
理解してもらいたい人に、理解されないことは、精神疾患では大変つらいこと。
が、まずは、きちんと主治医に理解してもらい、診断書作成をしていただくことを確認する必要がある。
3.寛解について
医学的な寛解と社会保険上の寛解は異なります。
社会保険上では、病状がはっきりとあり、継続して治療を受けている状態で、治ったと思われる期間が5年以上も経っていない状況で、通常は寛解であるとは認めらない。(「社会的治癒」より逆説的な考え)
ただ、このことで主治医と議論はしないこと。
主治医との信頼関係が最優先なので。
4.プランについて
当事務所のプランは、業務に要する日数(所要日数)の見込みによって、決まる。
「3つのプランの比較表」
精神疾患は身体のけが等と異なり、書類作成が全てとなるため、所要日数が平均して4日以上かかっている。
特に、こちらの場合には、申立書以外に必要であれば、様々な書類を添付して認定を求めていくため、時間がかなりかかる場合も多くなってしまう。(そのおかげで認定率100%をキープしてもいるが。)
「通常プラン」でまず大丈夫。
通常プラン(料金)
「安心プラン」はとんでもない場合を想定してのことで、お引き受けした経験はない。
なお、事務手数料22,000円(税込)は、金額のほとんどを、郵送でやり取りする際のレターパックプラスの代金に充当。
認定されて年金が振り込みされるまでは、その他の費用は不要。
また、遡及された場合にも、他の事務所のように、余分に10%、15%等の加算も不要。
費用は、年金の月額×2.2ヶ月分(税込)のみ。
なお、主治医の同意があれば、病院への同行も実施。
その場合には、11,000円を前金でいただく。
通常プラン(料金)
5.遡及請求の可能性について
障害認定日は、初診日から1年6ヶ月後の令和4年12月。(2番目の病院のとき)
この時点で主治医が診断書を障害等級が2級以上で作成してもらえれば、可能性はある。
ただ、転医されていることから、依頼されるのが気苦労かも。
6.その他
①早急に、障害者手帳を申請されることをお勧め。(得はしても損はまずない。)
②早急に、初診日の病院の証明書を取得されるよう、お勧め。 (有効期間は無し。病院のカルテ保存期間は5年間。)
ちなみに、今からの請求(事後重症請求)の場合、申請書が東京の日本年金機構に到着した日の翌月から支給となる。
1日の遅れが1月分支給開始が遅くなることにもなる。
以上から、早急に手続きされることをお勧めした次第。
双極性障害は、躁状態と鬱状態が交互に顕れることから、なかなか周囲の人に理解されるのが難しい精神疾患です。
私も県庁時代に手帳の認定等のかたわらで、患者さんと過ごすこともあり、「躁状態、鬱状態のときのギャップから、大変だ」とお聞きしたことがあります。
私自身はうつ病になって長いのですが、酷かったときには躁転といって、鬱から急に躁になる症状で振り回された経験がありました。
そのときには、自分だけではなく、周囲にも迷惑をおかけした覚えがあります。
旦那さんのご理解、ご協力が得られて、何よりです。
受診の際には、ぜひ、旦那さんと同席されて、主治医に一緒に説明をされることが大事だと思います。