『難聴の方で、言葉でのコミュニケーションに不自由なため、申請に不安を抱える方から』

聴覚障害者の方から、病院とのやり取りについてご相談をいただきました。

難聴で耳が不自由であるこの方は、言葉のやり取りにも困ることが多く、病院においても筆談等でコミュニケーションを取っている次第です。

すでに身寄りがなく、頼る術がないため、障害年金の申請の上で、初診日や診断書を含めた病院等のやり取りを心配。

また、年金事務所でもまた、あまり詳しくない障害年金のことで苦労するのかとストレスになってきた。

こうしたことから、当事務所へ相談に来られた次第です。



『なかなか思ったように医師がお伝えできず、もどかしい思いをしています。

障害年金の申請をお願いしたいのですが、病院も転々としており、その証明書等も必要かなと思います。

そうした書類のことも全て自分で取り寄せ等を行うことに、コミュニケーションが不自由なことから、不安になっています。

申請をお願いした場合、何かご配慮をいただくことはお願いできますか?』

先月、契約した方のお話しをいたしました。

その方は県外の方で、事務所までお越しいただき、やっぱり難聴であって、同様のことを気にされていました。

そのため、事務所では検討した結果、次のように提案いたしました。


・・・・・
1.「初診日探しの件、初診日の証明の依頼の件、診断書依頼の件、病院での診察等のやり取りの件」等は、全て等事務所にて行う。

2.上記1について、電話対応のみの場合は、特に費用は不要。ただし、実際に病院へ手続きに動くことが必要であれば、原則として病院同行費用と同じく、3時間程度11,000円を負担していただく。

3.やり取りしたときの内容については、整理してメールでお送りする。

4.各病院へ書類の収受のため、診察のため等に行かれる際には、それぞれ当事務所がお話しをさせていただいた、各病院のその担当者へお手紙で内容を記載して、私の名刺と一緒にお渡ししていただく。

5.上記4の旨を、各病院のその担当者にもあらかじめお伝えして、対応についてお願いをしておく。
・・・・・

上記のようなことで、現在、書類ができ次第、日本年金機構へ提出するのみとなっております。




このことを今回の方にもお伝えしたところ、「同じようにお願いできますか?」と尋ねられ、了承させていただきました。

おかげにより、後日、書類を整えて、契約をいただくこととなっております。




以前に取り組んだことが、こうして役に立つ。

最初は戸惑うこともありましたが、そうした経験が次に活かされてくることで、またこの仕事をして、いろいろな方の相談に応じていけるようになっていくことができ、お仕事までくださり、私は「本当にうれしいな」と思いました。




「情けは人のためならず」、「一期一会」

これらの言葉は、私の前職である徳島県庁時代に、県庁のお師匠がよく口にされていた言葉の一つです。




あれからもう数十年。

私は病気で途中退職し、徳島県庁を通じてお師匠に恩返しはできませんでした。

でも、その言葉は今も私の胸の中にあり、未だに病気を抱える今の私を、支えていただいていることに感謝申し上げます。




この県庁でできなかった恩返しを、私はこの事務所における障害年金のことで、あるいは、完全なボランティアであるNPO法人しおんでの取り組みによって、恩返しいていきたいと考えております。

2025/1/22