『生体肝移植された息子さんのお母さんからのご相談』

先天性の肝障害をお持ちの息子さんのお母さんから、ご相談をいただきました。




『息子が現在、生体肝移植をして入院中です。

これまで発達障害の疑いがあると言われたこともあり、ほとんど就労の経験がありません。

ずっと国民年金加入で、今は保険料免除となっております。




市役所で障害年金の申請書類をいただき、医師に診断書について作成をしていただきました。

が、これで障害年金がもらえるのかどうかが、わからないのです。

母親として、もう気持ちがいっぱいいっぱいで・・・。




申請のことでお会いしてご相談をし、申請できるのであればお願いをしたいのですが?』

お話をお聞きしていて、「発達障害」という言葉を耳にしたときに、私の気持ちは決まりました。

「この依頼をお受けしたい!」




なぜなら、私はかつて、手をつなぐ育成会の役員をしておりました。

重度障害児である我が子のことで、悩んできました。

そのことから、涙をこらえながら、私とお話をしているお母さんのことが、気になったからです。





『親は子供より先に逝く』

私たち知的障害児の親は、この言葉とともに、子供の未来のために、闘ってきました。




「先天性の障害」だといことで、

『私がこんな身体に産まなければ・・』

と、子供のお母さん方の涙を、私はいつも目にしてきました。




だから、

「とりあえず、できるできないは別にして、お母さんのお話をお聞きしてみよう」

と思いました。




今回のご相談の、肝機能障害は医師の診断書に記載された、検査数値を基にして判定することとなります。

認定基準では、この数値により、「軽度・中度・重度」とランク分けされております。

そして、それをベースにして、日常生活等の様子から「どの程度の障害なのか?」を判断していくこと。

このような運びとなります。




ただ、今回のご相談の気になるところは、「先天性の障害」であるということです。

お話では、生後2ヶ月のときに「先天性の障害があることが判明」されたそうです。





先天性の障害については、「先天性の知的障害」は、「出生の日」が初診日とされております。

が、それ以外は、「その障害により、治療のために病院を初めて受診した日」が初診日となるものです。





今回の息子さんも、「肝障害のことではこれまで治療をどうされてきたのか」を、詳しくお尋ねする必要があります。

そして、「初診日を客観的に証明する書類等」を準備しなければなりません。

こういう「初診日探しの旅」は、障害年金の場合はつきものであり、当事務所では、「初診日が20年以上、30年以上というもの」が、珍しくありません。





ただ、今回は、

「とりあえず、お母さんのお話をお聞きして、お母さんの気持ちを楽にして差し上げたい」

そう、思いました。

障害児の親として共感できることが多いものですので。




そうして、明日の日曜日の午後、面談することとし、「息子さんの面会をゆっくりされた後、お電話にてご連絡ください」と、申し上げた次第です。




『お金もことも大事。が、人の気持ちを楽にして差し上げることができるのなら、それが一番大切なんだ』

そのように、私は常々、考えております。

『信頼こそ力』
~一緒に前進しましょう!~
2025/3/29