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- 『50代女性(初診日が20代前半)からの障害年金の申請のご相談』
『50代女性(初診日が20代前半)からの障害年金の申請のご相談』
事例概要
1.相談者属性:50代女性(現在専業主婦)
2.病歴:20代前半にⅠ型糖尿病発症、複数医療機関を経由(初診医療機関は廃院)
3.就労状況:
・20~30代:厚生年金加入の会社員経験あり
・その後:国民年金加入の自営業補助
・現在:配偶者の被扶養者
Ⅰ.申請上の課題
1.初診日特定問題
・初診医療機関の閉鎖(カルテ保存期間5年経過)
・転院歴が複数あるため証明連鎖の構築が必要
2.潜在的リスク
・将来の糖尿病性腎症による人工透析の可能性(2級認定要件)
・現時点での血糖変動による日常生活制限(3級該当性の検証)
Ⅱ.当方の提案内容
1.初診日調査プロセス
・無料サービス:当職による電話照会(医療機関への系統的アプローチ)
・成功時:証明書取得のための医療機関連絡方法を指導
・不成功時:日本年金機構規定に基づく代替書類の検討
2.契約条件
・初期手数料:22,000円(調査着手費用)
・成果報酬:認定取得後の規定料金体系に準拠
Ⅲ.特記事項
・実績に基づく見通し:過去43年前の初診日認定実績あり
・リスク管理:将来の人工透析開始時の申請戦略を併せて構築
・倫理的留意点:結果保証ができない旨を書面で明示
Ⅳ.今後の展開
・相談者は面談予定日に契約締結を希望。
・当方では「時間軸をかけた調査」と「病状変化への対応準備」を両輪とした戦略を提示。
・認定可能性については「調査終了後に客観的評価を報告」する旨を約束しています。
Ⅵ.専門家視点
・初診日証明が困難な場合でも、「就労状況の変遷」と「保険料納付記録」を組み合わせた、立証方法が有効となる可能性があります。
・社会保険労務士としての経験則から、年金事務所との建設的対話を通じた解決策を模索します。
Ⅰ.Ⅰ型糖尿病における障害年金の認定基準
・Ⅰ型糖尿病で障害年金を受給するには、以下の認定基準や条件を満たす必要があります。
●認定基準の概要
障害年金の認定は「糖尿病そのもの」または「糖尿病による合併症」を請求疾患として申請できます。
Ⅰ型糖尿病の場合、インスリン治療を継続しても血糖コントロールが困難なケースが主な対象です。
1. 認定等級の区分はこちら
Ⅱ.3級認定の具体的条件(Ⅰ型糖尿病の主なケース)
以下すべての条件を満たす場合、3級に認定されます(厚生年金加入者のみ)。
1.90日以上継続してインスリン治療を行っていること
2.次のいずれかに該当すること
・内因性インスリン分泌が枯渇し、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満
・意識障害により自己回復ができない重症低血糖が平均して月1回以上
・インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上
3.日常生活状況が「一般状態区分表」のイまたはウに該当
・イ:軽度の症状があり、肉体労働は制限されるが、歩行や軽労働・座業は可能
・ウ:歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している
※症状や検査成績、日常生活状況によっては、さらに上位等級(2級・1級)に認定される場合もあります。
Ⅲ.申請時の留意点
・初診日要件や保険料納付要件を満たしている必要があります。
・障害年金は現役世代(20歳~65歳)でも受給可能です。
・就労中でも、業務に支障があれば受給できる場合があります。
Ⅳ.まとめ
Ⅰ型糖尿病で障害年金を申請する場合、主に「インスリン治療を継続しても血糖コントロールが困難」「Cペプチド値や低血糖発作、入院歴」などの医学的条件と、日常生活の制限度合いがポイントとなります。
