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- 『認知症のお母さまの障害年金についてのご相談』
『認知症のお母さんの障害年金についてのご相談』
今回は、認知症を患われているお母さんについて、娘さんからご相談をいただきました。
お母さんは現在69歳で、発症は64歳ごろと伺っています。
最初は別の病院で一度だけお薬の治療を受けられ、その後、現在の病院で入院検査を経て認知症と診断されました。
現在は重度の認知症で、反応もほとんど見られないご様子とのことです。
ただし、障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)当時の詳しいご様子については、まだお聞きできていません。
娘さんは、これまで障害年金の制度についてご存じなかったそうです。
「初診日が65歳までであれば障害年金を受けられると聞きましたが、今からでも申請できるのでしょうか?」
【障害年金のポイント】
1.障害認定日請求について
初診日が64歳までの場合、初診日から1年6か月経過した時点(障害認定日)に障害等級2級以上に該当していれば、障害認定日請求が可能です。
65歳を過ぎていても、診断書などが揃えば申請できます。
2.事後重症請求について
65歳を過ぎてからは、事後重症請求(障害認定日には該当しなかったが、その後症状が重くなった場合の請求)はできません。
3.年金の種類と選択について
お母さまは発症当時、娘さまの扶養で国民年金に加入されていましたので、障害基礎年金の対象となります。
障害基礎年金は、障害等級が2級以上であることが必要です。
また、すでに老齢基礎年金(年額約70万円)と老齢厚生年金を受給中とのこと。
65歳を超えてからは、障害基礎年金と老齢基礎年金のどちらか一方を選ぶことになります。
通常は金額の高い障害基礎年金(年額約83万円)を選ばれるケースが多いです。
なお、老齢厚生年金はどちらを選んでも併給できます。
4.受給額や税金について
障害基礎年金2級の場合、老齢基礎年金より年額で約10万円多くなります。
また、老齢基礎年金は課税対象ですが、障害基礎年金は非課税です。
税金分も含めて、障害基礎年金の方が多く受け取れることになります。
5.申請にあたってのアドバイス
カルテの保存期間は法律で5年間と定められています。
今回のケースでは、すでに初診日から5年以上経過していますので、まずは早めに初診病院で「初診日の証明書」を取得されることをおすすめします。
申請はご自身で行うことも、社会保険労務士などの専門家にご依頼いただくことも可能です。
専門家に依頼する場合は費用がかかりますので、増える年金額や費用、お母さんのご体調なども考慮しながらご検討いただければと思います。
娘さんもお仕事でお忙しいとのことですので、無理のない方法を選ばれることが大切です。
当事務所では、ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、障害年金の申請について一緒に考えてまいります。
ご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
