『筋萎縮性側索硬化症により「肢体障害」の申請を進めている際に、「構音障害」「胃瘻術施行」となった場合のご相談』

■ご相談内容について

筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている男性の奥様から、「構音障害」「胃瘻術」に関して、ご相談をいただきました。

現在、当方がご依頼を受けて「肢体障害」による申請手続きを進めているところです。

初診日は令和5年であり、令和7年1月に障害認定日を迎えています。

現在、「肢体障害」に関する書類の提出が間近となっています。

■診断書の内容とご家族の状況

診断書には「構音障害」と明記されていたため、奥様に詳しくお話を伺いました。
奥様によると、

「昨年末から言葉での意思疎通が難しくなり、わずかに動かせる指先を使って意思伝達装置を操作し、画面を見ながらようやくコミュニケーションを取っている状態です。」

とのことでした。

また、令和7年5月に胃瘻術を施行されたことも最近知りましたが、これは予想外の出来事でした。



■認定基準と今後の申請方針

現在、肢体障害での申請書類提出が目前ですので、このまま障害認定日請求を行います。

次に、5月に施行された胃瘻術については、原則ですと、施行から6ヶ月後が障害認定日となります。

ただし、筋萎縮性側索硬化症の1年6ヶ月後の障害認定日を経過していることから、特例により、胃瘻術の障害認定日は施術した日となります。



また、構音障害については、初診日から1年6ヶ月後、すなわち令和7年1月が障害認定日となります。

なお、これらの障害の原因はすべて「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」です。

ALSは進行性の疾患であり、迅速な対応が求められます。



■ご家族のご苦労と連絡状況

奥様は3人のお子様の子育て、ご主人の介護、さらに家計のためにフルタイムでお仕事もされています。

そのご苦労には本当に頭が下がる思いです。

そのため、なかなかご連絡が取れず、情報の把握が遅れることもありました。



■障害認定日の整理と今後の申請

結論として、「同一傷病による複数の障害」がある場合、初診日から1年6ヶ月後(令和7年1月)が障害認定日となります。

ただし、胃瘻術のみ5月施行のため、認定日が異なります。

今後、症状が悪化し酸素呼吸器が必要になった場合は、さらに重い等級(1級)となる可能性があります。



今回は胃瘻術に注目していましたが、構音障害が先に発生し、意思伝達装置を用いて指先でコミュニケーションを取る状況となったため、新たに構音障害での障害認定日請求を行い、言語障害による2級認定を目指すことになりました。

肢体障害で1級認定を目指していましたが、指先が動かせることから2級となる可能性が懸念されます。

そこで、肢体障害と構音障害の両方で令和7年1月の障害認定日請求を行い、併合(加重)認定により1級認定を目指す方針としました。



胃瘻術については5月に施行されたため、令和7年1月の障害認定日を過ぎており、5月以降の請求となるため、事後重症請求となり、請求日以降での認定となります。



以上の点を奥様にご説明し、今回新たに構音障害での申請手続きを進めることとなりました。

当事務所では、ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、障害年金の申請について一緒に考えてまいります。

ご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

『信頼こそ力』
~一緒に前進しましょう!~
2025/7/1