『障害の程度要件について(「精神障害と一人暮らし」の場合)~ここが肝心🙋~』
みなさん、おはようございます。「障害年金の寺小屋」です。
前回、『障害の程度要件について(眼の障害)~ここが肝心🙋』について、お話ししました。😄
今回は、「障害の程度要件について(「精神障害と一人暮らし」の場合)」について、お話しします。🙇
「精神の障害にかかる等級判定ガイドライン」の「照合評価の要素」には、
『独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合
(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要性がある場合も含む)」
には、
「それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する」』
及び
『独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮する』
こととあります。
ここでは、特に()書きの中の、
『現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む』
との記載が何よりも重要なんです!
診断書様式のうち、「日常生活能力の程度」では、「判定内容」の語尾がいずれも「援助が必要である」となっており、このことは、
『援助の有無ではなく、精神障害の程度として、どの援助が必要であるのか、その軽重により日常生活能力を判定しようというもの』
であることを示しているものです。
このことはつまり、
『単身であっても、友人や家族からの具体的援助(電話やときどきの面談での声かけを含む)はないかどうか』
を確認する必要があります。
また、
『「援助がない場合」も「いかに生活が成り立っていないのか」を示していくことが必要』
となります。
例えば、
・『家族関係が原因となり精神障害を発症した場合』
・『家族との関係が悪化し、支援を受けたくても受けられる環境になく、やむなく一人暮らしをしている人』
・『経済的な理由から福祉サービスを依頼できなく、2級となったら年金でサービスを依頼しようという人』
等のことが考えられると思います。
つまり、
『一人暮らしをせざるを得ない理由』
『誰かに援助を受けられない理由』
を、しっかりと主張することが大切ということです。
ここで、次のような判例が見られます。
「平成30年4月24日付け東京地裁判決」では、
「アスペルガー症候群による障害基礎年金2級が平成26年11月に支給停止となったことの取消訴訟」
に対する内容で、
『日常生活の各場面について援助の必要度を細かく評価して支給停止を取り消し』
をされています。
「争点の一つ」として、
「一人暮らしができていたこと」
が挙げられており、このことに関して裁判では、
『原告は、知的障害は軽度。相当期間一人暮らしを継続。一般企業への勤務も相当期間継続。
が、その実態は、
原告の「対人交流の困難性」、「強迫観念に基づく確認行為」等の、
「アスペルガー症候群(本件傷病)による障害のため、本来であれば継続が困難」
であるところ、
「周囲の理解」、「両親の援助、指導等」によって「継続が可能となったもの」ということができる。』
ものとして、
『認定基準の2級例示の「社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適切な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの」に該当している。』
と判断を下しました。
このことから重要なのは、
「形として一人暮らしをしていても、援助を受けてはじめて一人暮らしが成り立っている場合には、その援助や頻度を示していくこと」
であることがおわかりいただけると思います。
実際、平成24年頃から、
「精神障害で一人暮らしであった場合に、一人暮らしを理由として、2級と認定されない事例が見られるように」
なりました。
ただ、一人暮らしをしていても、
・天涯孤独で援助する者がいない人
・障害に理解のない家族との同居は病状を悪化させるため、一人で生活する他ない場合
も考えられ、こうした場合、該当する方たちについては、
『生活能力の欠如、食事の用意・健康維持の困難、生命の危険、対人接触・緊急避難が困難であることが多い』
と思われます。
このような方たちほど本来、
「社会的援助が必要な状態であり、救済が必要な人たち」
だとして、そしてまた
「一人暮らしであることだけをもって、2級で無いとすること」
をとても不合理なことだと、私は思う次第です。
こうしたことから、こういった事情を明確に示していくことで、審査される側からきちんと理解をしていただき、障害年金の認定へつなげて参りたいと、私は思っております。
以上、「障害の程度要件について(「精神障害と一人暮らし」の場合)~ここが肝心🙋」について、お話しました。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇
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