よくある質問から

『「障害年金と交通事故の関係」について~ここが肝心!🙋~』

前回は、『「20歳前に初診日のある障害年金」について~ここが肝心!🙋~』について、お話ししました。😄

今回は、『「障害年金と交通事故の関係」について~ここが肝心!🙋~』について、お話しします。🙇

当事務所では、「交通事故の場合の障害年金との関係」について、ご相談をいただくことがあります。

まず始めに、交通事故の場合は、医療保険と同じく、第三者加害という取り扱いとなります。

被害者として、加害者から事故による損失を損害賠償という形で補償を受けることになります。



障害年金との関係では、原則として二重払いを避けるため、同時に障害年金をもらうことはできません。

障害年金の申請を行い、認定を受けたとしても支給停止等の措置となります。

この支給停止措置は、交通事故の日の翌月から3年経過後、支給停止を解除されることで、障害年金をもらうことができるようになります。



また、損害賠償額をもらう前に障害年金をもらっている場合も考えられます。

この場合には、あとで損害賠償額をもらった際に二重払いとならないよう、すでにもらっている障害年金を返還する義務が生じてきます。



なお、損害賠償請求をしても、事情によっては話がスムーズに進まず、請求額を受け取ることが遅くなることも考えられます。

このような場合には、事故の日から1年6ヶ月後に障害等級に該当することにより、障害認定を受けて障害年金をもらうことも可能です。

ただし、この場合には前述のとおり、その場合には二重払いを避けることから、損害賠償請求額を受け取った後に、すでにもらっている障害年金の返還義務が生じてくることになります。

①交通事故は第三者加害である

交通事故などの第三者の行為が原因で、障害年金を請求することがあります。

第三者行為が原因で障害が残った場合、原則として、被害者として加害者から賠償金や給付を受け取ることになります。

②支給調整

第三者行為が原因の障害で障害年金を受給した場合には、1つの事故について、「加害者からの賠償金」と「国からの年金」という二重の補償を受けることになってしまいます。

そのため、障害年金を一定期間支給停止にすることで、二重の補償を受けることがないよう支給調整がされることとなります。

③支給調整の対象

ところで、損害賠償金(自賠責保険等を含む。)の全てが調整の対象となるのではありません。

「逸失利益」や「休業保障」のような生活保障費相当額のみが対象となり、慰謝料、医療費、葬祭料などは調整の対象にはならないのです。

④支給調整される期間

この支給調整される期間は、事故が発生した翌月から始まり、最長36か月間まで行われます。

ただし、平成27年9月30日以前に発生した事故等の場合は、24か月が上限となります。

これは、同日を基準にして、法改正が行われたことによるからです。

基準日より前は従来のとおりに、基準日以降は改正後の内容によることとなっています。

⑤実際に支給停止となる期間

上記④のとおり、支給調整される期間は「事故が発生した翌月から最長36ヶ月間」です。

ただし、この36ヶ月間、まるまる障害年金が支給停止されるわけではありません。



その理由は、障害年金の受給は、早くても「障害認定日(事故から1年6か月経過日)の翌月から開始」されます。

したがって、実際に障害年金が支給停止されるのは、それ以降の、「事故発生した翌月から最長36ヶ月間までの期間」となります。



このことから、実際に支給停止となる障害年金は、「支給開始後の残りの1年6か月分が上限」となるのです。

⑥実際に支給停止となる期間の具体的な算出方法

この支給停止期間の算出方法は、次のとおりです。

支給停止月数=36月 - 事故日から障害認定日までの月数 - {損害賠償額-(実出費+慰謝料)}÷一月当たりの基準生活費

⑦損害賠償の時期と支給調整との関係

a.損害賠償金を受けた場合の取扱い

相手方から損害賠償金を受けた場合は、事故日の翌月から起算して最長で36か月の範囲内で障害年金の支給停止が行われます。

そして、支給停止期間が満了した後、障害年金の支給が再開されることとなります。

b.損害賠償金を受けずに、先行して障害年金が支払われた場合

ケースによっては、示談中等のため、相手方から損害賠償金を受けていない場合、通常、先行して障害年金が支払われることもあります。



この理由は、障害年金の支給停止期間の算出に当たっては、本来、損害賠償金の受け取りが完了するまで待つ必要があります。

が、受取りが完了するまでには相当の期間を要する場合もあり得ます。

そのような場合、この間、何の生活補償も受けられないこととなり、受給権者(被害者)の生活に多大な影響が考えられます。

したがって、被害者救済の観点からこうしたことが実施されることになります。



その実施された後、受給権者が損害賠償金を相手方から受け取り、保険者が年金の支給停止すべき期間を確定します。

その時点においては、「本来、支給を停止されるべきであった期間分の障害年金が、既に支払われている」ことから、「この期間に支払われた年金を保険者に返す必要」が生じます。

このため、「本来の支給停止期間が経過し、支給が再開された後に支払われる障害年金額」から「2分の1の額(半額)が支給停止額に達するまで」差し引かれて調整されることとなります。

⑧差引調整される額についての猶予

なお、上記⑦bの「差引調整される額」については、別途申出することにより、2分の1の額以外(それ以下や一括等)に差引調整率の変更も可能とされています。

このことも、被害者に対する経済的負担が一時的に重くなり過ぎることを避ける、という配慮からです。

⑨落ち着いて行動を

突発的な出来事に遭われた場合、なかなか平常心でいることはとても難しいものです。

大きな交通事故の場合には、負傷されたご本人のみならず、ご家族まで巻き込まれることもあります。

そうしたときに、あれもこれも、やらべきことがたくさんあって、なかなか普段とおりの行動をするのは大変です。

こうした際には、ぜひ専門家へご相談することをお勧めいたします。

そうすることで、少しでもご本人やご家族の負担を軽減することができ、その分、治療その他のやらなければならないことへ、意識を集中することが可能となります。

アクシデントが起きた際には、できるだけリスクを分散すること。

ぜひ、お忘れ無きよう、なさってください。

当事務所では、障害年金の新規申請について、初回無料相談を実施しております。

ぜひ、お気軽にお尋ねください。

以上、「障害年金と交通事故の関係」について~ここが肝心!🙋~』について、お話しました。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋


なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇


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