特別編

『「戸籍謄本が不要になった!~令和6年11月から」について~ここが肝心!🙋~』

前回は、『「障害年金は診断書で決まるんだ」~は本当か?』について、お話ししました。😄

今回は、『「戸籍謄本が不要になった!~令和6年11月から」』について、お話しします。🙇

徳島障害年金サポートセンターの楠です。

障害年金サポーターとして、社会保険労務士としては障害年金の申請を、その他、NPO法人しおんを通じて、障害年金を含めた障害福祉サービスを使った体験談や、うつ病、そして余命宣告を受けた難病等、病気まみれの療養生活での体験を通して「うつ病対策」や「自殺予防対策」を訴えています。

また、重度の知的障害児の親として、我が子のことで障害者団体を通じての活動体験等から、障害を抱える子供さんを持つお父さんお母さんを応援させていただいております。

1.戸籍謄本は不要になった!

今回は、障害年金を請求する際に添付が必要とされていた、「戸籍謄本」についてのお話です。

今まで、戸籍謄本の添付が必要なパターンがいくつかありましたが、「令和6年11月1日から戸籍謄本の添付が省略可能」となりました。

2.障害年金に必要な書類とは?

障害年金を申請する際には、とても多くの書類が必要です。

主な書類には、次のようなものがあります。

☆障害年金の申請に必要となる書類(主なもの)

1.年金請求書

2.診断書

3.受診状況等証明書 ※「診断書と同じ医療機関の場合」および「知的障害で請求する場合」は不要

4.病歴・就労状況等申立書

5.通帳コピー ※「公金受取口座として登録済の口座を指定」に☑した場合は不要

6.障害者手帳や療育手帳のコピー ※ 持っている方のみ

3.住民票の写しや戸籍謄本が必要だった

以前は、上記でご案内した書類の他に、住民票の写しや戸籍謄本の添付が必要なケースがありました。

まず、「請求者本人の生存確認」として「住民票の写しの添付」が必要でした。

このことに関しては、年金請求者の全員に添付を求められていました。



そして、「配偶者の加給年金」や「子の加算」がつく場合には、「戸籍謄本の添付」も必要でした。

ここでは加給年金や加算の意味は割愛しますが、「加算がつくにはいくつかの要件を満たしている必要」があります。

1.当然の要件として、配偶者の加給年金については「婚姻関係にあること」子の加算については「親子関係にあること」があります。

2.加給年金、子の加算のいずれにおいても、対象となる配偶者や子と同居している(または別居していても「仕送りをしている」「健康保険の扶養親族である」などの事項があること)も要件になっています。

これらの要件を満たしているのかどうかの判断材料が、住民票や戸籍謄本だったのです。


・戸籍謄本:加算対象者との婚姻関係や親子関係の確認

・住民票の写し:本人の生存確認、加算対象者との同居の有無の確認

4.(原則)住民票の写しに続いて、戸籍謄本も省略可能に!

現在、マイナンバーを活用した行政機関間の情報連携により、年金請求書に住民票の写しを省略することができるようになりました。

そして、この度、令和6年11月より戸籍謄本についても、原則として省略できることになりました。

これは、『マイナンバーを活用して、「日本年金機構~市町村」の間で情報をやり取りが可能となったこと』によるものです。

5.(例外)住民票の写しや戸籍謄本が省略できないケース

ところが、ほとんど全ての場合、「原則には必ず例外が存在する」ものです。

今回も、例外として、「住民票の写しや戸籍謄本が省略できないケース」が存在。


それは、『DVやストーカー行為、虐待等の被害者(または被害のおそれがある者)で、マイナンバー制度における不開示措置や閲覧制限を行っている場合』等です。

この場合には、「日本年金機構と市町村の間で情報のやり取りができない」ため、「従来どおり、住民票の写しや戸籍謄本の添付が必要」ということです。

6.便利になった反面、心配となる管理面

ときどきニュースで、「市町村窓口でDVにより被害者の個人情報を教えてはいけない手続きをしているにもかかわらず、職員が謝って加害者に教えてしまって、問題として報道されている」のを耳にします。

このようなことが生じないようにと、この度もこうした決まり事ができております。



マイナンバーカードによって、このように便利な世の中になりつつあります。

けれども、マイナンバーカードそのものは、当初は診察券や運転免許証の代わりにと一本化ということでしたが、現在、双方とも国民の任意ということになり、全く普及しておりません。



情報漏洩等の問題が未だに報道されることにもあると思います。

こうしたシステム不備によると考えられる要因もあります。

が、このシステムを運用する側にある行政窓口での前述の人為的なミスによるものもある。




私も、実は市役所において自分自身のことで、猛抗議したことがありました。

職員にこうした認識が全くなかったことから、それは起こりました。




こうしたことはマイナンバーカードを仕事で取り扱う、私たち社会保険労務士にも非常に大切なことです。

前職の県庁時代の経験からも、このマイナンバーカード、その前身的な存在である住基ネットにおいて、運用するためには最善の注意が必要であることを学びました。

こうした経験から、私は普段、仕事でコピーをお取りする際に、依頼者からお預かりする際には、大変慎重にならざるをえないのです。




マイナンバーカードをお持ちでなくても、そのマイナンバーカード制度の新設時に、実は診察券の番号に2桁の数字が追加され、診察券をコピーする際にはその番号を黒塗りにして、個人情報が見えなくする等の規定が設けられました。

カードをお持ちでない方も全て、実はマイナンバーは既に個人ごとに付与されているからです。

その識別のコード2桁が診察券に表示されたということでした。

ただ、私自身が病院に通院した際に、そういうことを窓口で見かけたことは一度もありません。




このようなことからも、便利になっていく反面、システムも、また運用する職員も、まだまだ個人情報の管理については問題があるなと、私は常々、自分自身のことでも目の当たりにし、感じております。

以上、『「戸籍謄本が不要になった!~令和6年11月から」について~ここが肝心!🙋~』でした。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
(年末年始の休業のため、次回は年明け1月13日になる見込です。)

『便利になった日常生活』
~問われている暮らす人の意識~
2024年12月23日