『不支給決定でのご相談から~「一の太刀を疑わず、二の太刀要らずの心構え」について~ここが肝心!🙋~』
前回は、『相談事例から考える~障害年金はこれから先の生活を考えて』について、お話ししました。😄
今回は、『不支給決定でのご相談から~「一の太刀を疑わず、二の太刀要らず」の心構え~』について、お話しします。🙇
みなさん、こんにちは。
私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。
「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。
1.不支給決定によるご相談
ここ最近、ちょっと迷ってることがあります。
それは、ここ3ヶ月くらいで急に増えている、不支給決定によるご相談のことからです。
現状、当事務所では「新規申請の初回相談は無料です」ということになっています。
他の事務所もほとんどが同様だろうと思います。
が、最近、特に先月は多かった!
何がというと、「有料でも良いから、相談させてください!」というご相談でした。
2.普段は電話対応もしていない当事務所
実は、当事務所では、原則、インターネット経由によるご相談で、電話対応はやっていません。
それは、一人事務所であること等から電話が集中すると、とても仕事ができなくなってしまうからです。
ただ、今回は、たまたま、大事な電話を待っているときでした。
その電話と勘違いして出てみると、「不支給決定」のことだったりしたのです。
原則どおり、「有料になるのですが?」とお話しすると、「11,000円でしょう?それでも構いません!」と言われることがしばしば。
「???・・いったい、何がどうなってしまって・・・」
たいてい、有料だと話すと、そこで問い合わせが終わることの多い徳島県。
それもそのはず。
昨年11月の最低賃金のアップまでは、全国で下から2番目でしたし、経済的には大変厳しいところですから。
だから、私は「不思議なこともあるもんだ」と、思いました。
3.不支給決定の原因は?
不支給決定になったからといって、たとえ不服申立を行ったとしても、結局、判定を覆せるのは、約1割満たないと耳にしております。
別に確認までした数字ではありません。
ただ、ほとんど判定は覆りません。
「なぜか?」
それは、年金のことに限らず、行政の不服申立の制度の仕組みにあるからです。
この場ではそのことについては割愛いたします。
さて、私自身が申請をしたのでなければ、原則、不服申立はいたしません。
だから、こういう場合、当事務所では、
1.再申請
2.障害の程度が悪化したことによる障害等級の変更
の2つの方法について、ご説明をすることにしています。
4.お勧めするのは?
当事務所では、前述のとおり、「不支給決定」への対応方法として2つの方法を説明しています。
そのうち、すぐに対応できるのは、「1.再申請」のみとなります。
なぜなら、原則、「2.障害の程度が悪化した・・・」の方は、「いつでも」できるわけではありません。
原則、決定されてから1年以上経過していないとできない。
また、例外として、1年を経過しなくても良い場合としては、省令に基づき、規定された病名に限定されている。
このことに対して、「1.再申請」には、「いつまでにならなければ」というような、法的な制限は見受けられません。
このため、「再申請」、1つに絞られてくるわけです。
5.再申請を行うにしても・・
何事もまず、「原因」を追求しなければなりません。
申請した控えを全てお持ちであれば、検討もできます。
が、ほとんどの方は控えをお持ちでなかったりします。
何もお持ちにならなければ、検討すらできません。
その場合には、提出した書類写しを日本年金機構から取り寄せすることになります。(内容は割愛)
そして、前回の申請書類の内容をもとに、原因を突き止めます。
それから、同じ轍を踏むことにならないよう、注意しながら再申請を行うわけです。
6.原因が判明すれば、お引受けするのか?
そのようなことはありません。
それは、不服申立も同様、申請した書類の内容によります。
できないものをお引き受けするのは、「依頼された方も、当事務所も、金銭的にもお互いに損となるから」。
と、普通の申請においても、お断り申し上げています。
「契約時に依頼者は22,000円を事務手数料としてお支払いになる。
当事務所は、1日当たり約5万円の経費がかかる。」
このように、「お互いに得にはならないから」と説明。
すると、みなさん、サラリーマンの方は事務所経費の額に驚かれますが、ご納得いただけます。
さて、一度、申請した書類は、日本年金機構において保存され、次回の際の参考書類とされます。
このことは、日本年金機構に限りません。
私の前職である県庁など、全ての官公庁ではだいたい同じ取り扱いです。
もちろん、一般の民間企業等でも、おそらくは同じ取り扱いであると思います。
その理由は、
『「後出しじゃんけん」はダメ!』
ということからです。
最初の申請と次の申請において、同じ申請のことであるのに、もしも、内容が異なっていたら、みなさんはどう思われますか?
「どっちが本当なのか?」
そう、思われますよね?
たいていの場合、前の方が正しいと考えられることとなります。
私の前職、県庁時代も、前後の書類を突き合わせてみて、
「前にはこう書いてるじゃないですか?ダメです。」
と却下していました。
「書類の信憑性を問われることになる」
このこと、とても大事なことです。
たとえ、役所でなくても、通常の生活の中でもこのように考えられること、みなさんもご存じのはずです。
「前にはこう言ってたじゃないですか?」
この言葉、耳にしたことはありませんか?
7.前回の申請の中身が超重要!
「前回、申請内容をどのように説明されたのか?」
このことをよく検討し、今回の相談される方のお話しと比較してみます。
「前回の内容と今回の内容で、相反するものとなっていないか?」、思案します。
そうして、「お引き受けして再申請」できるのか?
あるいは、「再申請は難しい」とお断り申し上げるのか?
このことを判断するわけです。
もし、前回の申請と次の申請で、その内容が相違する。
そうであれば、ほとんどの場合、前の内容の方を正しいものと取られてしまいます。
8.まとめ
不支給決定された件で相談があった場合、当事務所では、
1.前述のように説明をして、「再申請」をご提案する。
2.ただし、前回申請時と今回再申請する際の内容が相反する場合には、そのことを説明してお断り申し上げる。
このように処理をすることにしております。
お断りする場合には、「他の社労士事務所、あるいは、申請者本人」にて、
「誤った知識を基にして書類を作成されて、そのことを覆すことが無理だと判断した場合」
が、ほとんどです。
『一の太刀を疑わず、二の太刀要らず』
これは、鹿児島に伝わる示現流という剣術の教えにある言葉です。
示現流の祖・東郷重位~一の太刀を疑わず、二の太刀要らず | WEB歴史街道|人間を知り、時代を知る
「いっさいの雑念を捨てて、初太刀に全身全霊を注ぐ」
「二度目の太刀打ちはない」と覚悟し、「一度目の太刀打ちに全力を傾ける」という姿勢を、説かれているものです。
この言葉と同様、障害年金の申請においても、『初回の申請に全力を傾ける』ことが、大変重要です。
障害年金の申請以外の、世の中にある手続き全てに対して、「次もある」などと甘い考えでは望むことは、決してやらないのが身のためであると存じます。
最後になりますが、
私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、
私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。
また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、
自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。
以上、『不支給決定でのご相談から~「一の太刀を疑わず、二の太刀要らず」の心構え~』についてでした。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
