『報道から~「障害年金、不支給が増加か?24年の前年比は精神・発達は2倍」~ここが肝心!🙋~』
前回は、『安心して障害年金をもらうために~「自分で申請したいけど、確認だけ頼みたい」~ここが肝心!🙋~』について、お話ししました。😄
今回は、『報道から~「障害年金、不支給が増加か?24年の前年比は精神・発達は2倍」~ここが肝心!🙋~』について、お話しします。🙇
みなさん、こんにちは。
私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。
「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。
1.昨日の夕方、知人から地元紙の切り抜きをいただきました。
昨日の夕方、知人から地元の徳島新聞の切り抜きを見せられました。
私はその記事にはまだ目を通していませんでした。
その記事とは、共同通信社が行った、障害年金の申請と受給に関するサンプル調査についてのものでした。
⬇にアップしておきます。

2.記事の概要について
この記事の概要について、簡単にまとめますと、次のようになります。
- 共同通信は今年1月、 障害年金の申請代行を専門に扱う社労士5人にデータの提供を依頼して、今回のサンプル調査を実施。
- 病気やけがで一定の障害がある人が受け取れる国の障害年金を巡り、支給を申請しても「障害が軽い」として不支給と判定されるケースが2024年以降、増えたとみられる。
- 23年と24年で計2千件超の申請を集計した結果、精神・発達障害では24年の不支給割合が23年比で2倍に増えていた。全ての障害種別でも1・6倍に増加。
- 社労士からは「明らかに判定が厳しくなった。以前なら受け取れたはずの人に支給されなくなり、生活に影響が出ている」との声が上がっている。
- 「判定が恣意的だ」との批判が以前からあるが、不支給が増えた理由は明らかにされていない。
- 障害年金の受給者は約236万人(23年3月末現在)。
- 判定機関である日本年金機構は取材に対し「審査方法などは変更しておらず、基準に基づき適正に判定している」と回答した。
判定結果などの統計は毎年9月に公表しているとして、不支給割合が増えているかどうかは答えなかった。 - 今回は、社労士が代行したデータからの調査結果によるもの。
- 社労士が代行せずに、一般の人が自分で申請しているケースを含めると、全体の不支給割合はもっと高くなるものとみられている。
3.障害年金について補足
ここで、あらためて、障害年金の制度のことを補足説明いたします。
- 障害年金病気やけがで障害があり、条件を満たせば現役世代でも受け取れる公的年金。
- 障害基礎年金と障害厚生年金の2種類がある。
- 障害の重い順に1〜3級に分かれ、支給額は基礎年金の1級で月約8万5千円、2級で約6万8千円。
- 障害基礎年金の場合は3級と判定されると支給されない。
- 年間の支給総額は約2兆2千億円(2022年)。
- 障害者手帳とは別の制度で、主治医に診断書を書いてもらい、他の書類とともに市区町村窓口や年金事務所などで申請。
- 日本年金機構の判定医が、支給の可否や等級を審査する。
4.障害年金の現状
次に、障害年金の現状について、申し上げます。
- 障害年金は年金機構の判定医が単独で書類審査を実施し、支給の可否を決める。
- 身体障害は数値などで判定できる。
が、精神•発達障害は、判定医の裁量で結果にばらつきが大きかった。 - このため、16年に日本年金機構が判定ガイドラインを導入した。
- また、都道府県毎の認定結果に対してバラツキが酷かったことから、都道府県単位で認定していた障害基礎年金も、現在は障害厚生年金とともに、東京本部で一元的に審査・認定されている。
5.以上より読み取れること
ここで、あらためて、今回の調査結果より当事務所なりに分析してみます。
- 今回の共同通信の記事では、精神(発達障害を含む)は2倍、全障害で1.6倍となっている。
- ただ、従来の新規申請による裁定者の割合では、精神が全体の障害のうち、約6割強を占めている。
- 上記のことから、全体の新規申請による裁定者を「100」として換算してみる。全障害「100」について不支給は1.6倍
(➡「100×1.6=160」)。 - そのうちの「60」の精神について、不支給は2倍(➡「60×2=120」)。
- 残りの「40」である身体について、不支給はX倍とすると、『120+(40×X)=160』より「X=1倍」となる。
- 以上から、不支給の割合は、全障害で1.6倍。そのうち、精神は2倍。身体は1倍(前年と変わらず)ということになる。
- 結果、障害年金の不支給の程度は、前年比で全体では1.6倍。精神で2倍。身体は変わらず。
6.まとめ~『精神疾患(発達障害を含む)の不支給のみが増加』
障害年金の不支給が増えていることは、これまでこのブログでも記事にしていました。
特に、精神疾患において、「どうしてなのか?」と私はいつも頭を抱えて参りました。
そのことが、私のいる徳島県だけではないことが、今回のサンプル調査から、当事務所にて計算をしたことから、明らかになりました。
障害年金の不支給率について、当事務所にて、上記のとおり、換算して検討したところ、「前年と比較した結果、身体は全く変わりはなく、精神(発達障害を含む)において2倍の増となっている」ということなのです。
ともかく、最近、なぜ、こんなに精神疾患の審査が酷なくらい厳しいのか、精神科の医師やスタッフと話すことがよくありました。
理由は今回の記事でも、日本年金機構からは何ら明らかにはされておりません。
が、「何か理由があるはずだ」という気がしました。
こうした結果を踏まえて、私は今後は、より手綱を締めてかからねばと、覚悟を新たにした次第です。
私は、依頼されるみなさんの代理なのですから。
全く、他人事ではないのです。
最後になりますが、
私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、
私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。
また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、
自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。
以上、『報道から~「障害年金、不支給が増加か?24年の前年比は精神・発達は2倍」~ここが肝心!🙋~』についてでした。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
