『「障害年金の認定に納得できない?専門家が教える解決策」~ここが肝心!🙋~』
前回は、『「令和7年度における年金額の改定」について」~ここが肝心!🙋』について、お話ししました。😄
今回は、『「障害年金の認定に納得できない?専門家が教える解決策」~ここが肝心!🙋~』について、お話しします🙇。
みなさん、こんにちは。
私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。
「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。
最近、障害を持つ息子さんを抱えたあるお母さんから相談を受けました。
「自分で申請をしたところ、2級の障害認定だった。
同じ障害を抱えるお母さんたちとお話していると、みんなは1級。
なぜ、自分だけが2級なのか、納得できません。
どうすれば良いのでしょうか?」
このようなお話でした。
1.無料相談と有料サービス
1. 当事務所では、新規の申請のうち、初回の相談を1時間を限度として無料でお受けしています。
これは、障害年金専門社労士の事務所ではよく見られる業務形態です。
弁護士事務所や税理士事務所でも同様の仕組みが多いです。
原則として、どの事務所も基本は有料です。
無料で行うのはボランティアだけです。
公的機関の無料相談も、依頼者は無料でも、相談を受ける側は報酬を受け取っています。
その原資は税金や年金の保険料です。
この相談も有料でしたが、忙しい中でもありましたが、「同じ親として悩みを共有する者同士」としてお話を聞きました。
2.申請の成功と不服申立
『一度申請して障害認定をもらえた』
これは私のような障害年金専門社労士の事務所から見れば、『成功』です。
認定をもらえたのですから。
「ご自分でよく頑張られましたね!」このように私も申し上げました。
しかし、周囲のお母さんたちの話を耳にして、「なんで、自分の子供だけが・・」となったようでした。
書類や医師の診断書、病歴・就労等状況等申立書、その他添付した資料により、日本年金機構では審査をしています。
その結果が「障害認定」という「行政処分」となります。
このような決定に異議があるならば、「不服申立」できます。
「不服申立できます」ということは行政の経験者であれば、すぐに理解されるものと存じます。
ありとあらゆる行政処分には、「不服申立」という仕組みがあります。
『瑕疵があれば、その法律行為は無効とする』
という「瑕疵判断」の内容を盛り込んだのが、「不服申立」の規定です。
「瑕疵」とは、簡単に言うと「手違い」のことです。
手順に誤りがあれば、法律上は無効となります。
だから、行政処分の手続きにおいて、「手順に誤りが有るのか、無いのか」について、あらためて確認をやり直してもらうこととなります。
(参考)
民法第95条(錯誤)
「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」
この条文は、法律行為の要素に錯誤があった場合、その意思表示は無効となることを定めています。
ただし、表意者(意思表示をした者)に重大な過失がある場合には、無効を主張できないとされています。
3.専門家の役割と成功率
しかし、業務を分業して、一人の人が毎日同じことを繰り返す場合、これがいわゆる「専門」です。
この場合、余程のことがなければ間違うことはありません。
だから、『餅は餅屋』ということわざにもあるように、みなさん、お金を払っても「専門家へ依頼」する次第です。
「手順に誤りがあった」
そうなると、再び、一度行った行政処分をなかったことにして、最初から審議をやり直すこととなります。
これが「再審査」で、障害年金の「不服申立」もこれに当たります。
「手順に誤り」がなければ、行政側は「異議は認められません」という返事をします。
つまり、「判定は覆らない」ことになるため、障害年金の不服申立である「審査請求」「再審査請求」の成功率は、たった1割前後と言われているのです。
4.事務所の判断と依頼者の期待
こうしたことがわかると、依頼される側も、また、お受けする私たち障害年金専門社労士の事務所も、「できないことをやっても、双方にとってお金を使うだけ、損となる」だけです。
ですから、最初から無理と判断したのなら、当事務所では申請もお引き受けしません。
『事務所の経費が1日当たり5万円。申請をお受けするという契約時に2万2千円。
申請してもできなければ、お互いに損になるので、今回は申請をやめませんか?』
と、通常、当事務所では熟慮しても無理と判断した場合、率直にこのことをお話します。
真剣に仕事でやっていると、1件の申請に通常3,4日、複雑な申請では5~7日もかかります。
そうしないと、ずっと認定され続けることはできません。
認定されなければ、当事務所は「成功報酬」制なので、いわゆる「タダ働き」となります。
ただ、私自身が障害年金のみで、ようやく食いつないできた、療養生活の日々。
そのことから、依頼者の事情をよく理解できる私は、
『できるだけ報酬単価を上げたくない。また、無駄となるお金を遣わせたくない。』
まず、そう考えております。
5.解決策と現実的な問題
そういうことで、今回の相談者であるお母さんにもこのことをお伝えしました。
そうした場合、一番だと私が考えるのは、1年以上経過し、病状が認定時より悪化したということになれば、障害等級を上げてもらえるように申請をすることができる。
このことにより、解決を図ることです。このことをお話した後、お母さんからメールをいただきました。
「先生、審査請求をお願いします。」
私は「・・・・」となりました。
ちなみに、正式に書類を見なければ、確かに審査請求が成功するかどうか、判断できかねます。
が、手続きについて必要な、当事務所へお支払いいただくお金のことで考えると、次のようになります。
1.相談時 11,000円。
2.事務手数料 22,000円。
3.着手金 55,000円。
以上が、料金表にある当事務所がいただく費用です。
次に、審査請求に必要となる実費をいただきます。
4.交通費(徳島県徳島市~香川県高松市の往復分) 仮に1万円と仮定。
5.日当 1日当たり55,000円。
合計すると、148,000円。
これを前金でいただきます。
そして、その上、成功報酬をいただくこととなります。
上記は、最低必要な金額です。
こんなことをお話ししなければならないと考えていた私は、持病のうつ病が悪化するような気がしました。
相手のお母さんは、おそらく、ご自分の気が済まないことからなのでしょう。
が、自分の感情は自分でコントロールする以外にはありません。
私も、自分も信頼して依頼していただいたお仕事を全うするためにも、必要ならお金の話さえ、しなければならない。
・難病や障害を抱える患者としての私。
・事務所経営者としての私。
いつも、この2つの立場で悩むことが多いです。
(参考)
☆額改定請求
障害年金を受給している方の障害の状態が悪化した場合には、等級見直しの請求を行なうことができます。
この額改定請求をする場合には、請求日前1か月以内の現症日の診断書を請求書に添付して提出する必要があります。
ただし、年金受給権利が発生した日から1年以内は、額改定請求を行うことができません。
また、原則として、障害状態確認届により等級が変更になった場合や額改定請求を行った場合も、その時点から1年間は原則として額改定請求を行うことができません 。
1.額改定請求ができるパターン
・年金受給権利が発生した日(※)から1年が経過している方
・障害の程度の審査を受けた日から1年が経過している方
・明らかに障害の程度が増進したことが確認できる状態に該当する場合(厚生労働省令に規定されたものに限る)
・65歳になる前に障害基礎年金1級、2級に該当したことがあり、現在65歳以上の方
2.額改定請求ができないパターン
・年金受給権利が発生した日から1年未満の方
・障害の程度の審査を受けた日から1年が経過していない方
・過去に障害基礎年金3級にしか該当したことがない現在65歳以上の方
6.まとめ
障害年金の申請や認定に関する相談は、専門的な知識と経験が必要です。
お母さんの悩みを聞き、適切なアドバイスを提供することは重要ですが、現実的な問題として、成功率や費用対効果も考慮しなければなりません。
私たちは、依頼者の期待に応えるために最善を尽くしますが、無理な申請は双方にとって損となるため、慎重な判断が求められます。
最後になりますが、
私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、
私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。
また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、
自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。
以上、『「障害年金の認定に納得できない?専門家が教える解決策」~ここが肝心!🙋~』についてでした。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
