特別編

『「障害や難病があっても、胸を張って生きられる社会へ」~社会的障壁をなくすために、私たちができること~ここが肝心!🙋~』

前回は、『「障害年金の申請、”ダメ”と言われても諦めないで!~実際のご相談から~ここが肝心!🙋』について、お話ししました。😄

今回は、『「障害や難病があっても、胸を張って生きられる社会へ」~社会的障壁をなくすために、私たちができること~ここが肝心!🙋~』について、お話しします🙇。

みなさん、こんにちは。

私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。

「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。

あらためまして、みなさん、こんにちは。

この記事は、障害や難病を抱える方、そのご家族や支援される方、そして厚生労働省等の行政担当者の皆さまに向けて書いています。

私自身の体験を通じて、「障害者の社会的進出をはばむ障壁を取り除くこと」の大切さ、そして同じ立場の方々とともに偏見や無理解とたたかい、励まし合いたいという思いを伝えたいと思います。

1.年金事務所で感じた“社会的障壁”

私は障害年金の申請をサポートする仕事をしています。



ある日、依頼者の大切な委任状が年金事務所から返却されていないことに気づき、FAXで「探してほしい」と依頼しました。

しかし、「FAXは耳や言葉の障害がある方専用なので、他の障害では利用できません」と断られ、厚生労働省にも問い合わせましたが、十分な対応は得られませんでした。

ファクシミリによる年金相談のご案内|日本年金機構

結局、委任状は数日して、あったかどうかの連絡は一切なく、無言で郵便受けに入れられていました。



このような「制度の壁」「慣行の壁」「偏見の壁」――いわゆる社会的障壁が、障害や難病を持つ人の社会参加や自立を妨げている現実を改めて痛感しました。

2.社会的障壁とは何か

社会的障壁とは、障害者が社会参加や日常生活を送る上で直面するさまざまなバリアです。

物理的な段差や使いにくい施設だけでなく、利用しにくい制度やルール、慣習、さらには無関心や偏見なども含まれます。



「障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である」。



この「社会モデル」の考え方は、国際社会でも広く認められており、日本でも法制度や政策に反映されています。

3.国際社会と日本の変化、そして三原じゅん子大臣の発言

1991年、国連は精神障害者の強制入院や人権侵害について各国に改善を求めました。

その後も障害者の権利保障は国際的に進み、日本でも「障害者差別解消法」や「障害者権利条約」などが整備され、行政や事業者に「合理的配慮」を義務付けるようになりました。

政府も「障害による障壁を取り除くのは社会の責務である」という社会モデルの考え方に基づき、偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画を推進しています。



さらに、厚生労働大臣である三原じゅん子さんも、公式の場で「障害は社会的障壁によって生み出されるものであり、こうした障壁を取り除くのは社会全体の責務である」と明言されています。

また、「障害の有無に関わらず、やりたいことを自由にできる社会になってほしい」「過去において障害のある方々が受けてきた差別、虐待、隔離、暴力、特別視といったものはあってはならない」と強調し、現場の声や家族、支援者の苦労にも理解を示しています。



このように、国際社会、政府、そして厚生労働大臣ご自身も、障害者の社会的障壁をなくし、誰もが尊重される共生社会の実現を目指しているのです。

4.それでも現場には壁が残る

法律や制度が整っても、現場ではまだ「障害の種別」や「慣行」による壁が残っています。

私自身、「難病や障害を抱える私は、働いてはいけないのか」「事務所をやめた方がいいのか」と悩んだこともありました。



しかし、私は気づきました。

私に障害年金の申請を託してくださる方々の代理人であり、代弁者であることに。




「年金事務所で断られた」「他の社労士事務所で基準に該当しないと言われた」と相談に来られる方に「大丈夫ですよ」と声をかけると、涙を流される方もいます。

「すみません、すみません」と涙を拭う方々の姿を、私は同じ過ちを繰り返す人たちに見てほしいと思います。

5.すべての人が社会で活躍できるように

障害や難病を抱える方、そのご家族や支援者の皆さん――

私たちは、社会的障壁や偏見とともに日々たたかっています。

でも、私たち一人ひとりの声や行動が、社会の意識や制度を変える力になります。

行政の担当者の皆さんにも、現場の声に耳を傾け、制度や運用の中にある見えない壁を一つひとつなくしていってほしいと願っています。

6.厚生労働大臣・三原じゅん子様へのお願い

ここで、厚生労働大臣である三原じゅん子様に心からお願い申し上げます。



現場で障害や難病を抱える方々、ご家族、支援者の声にぜひ耳を傾けてください。

制度や運用の中に残る「見えない壁」や「社会的障壁」を取り除くために、さらなるご理解とご尽力をお願いいたします。

私たちは、障害の有無に関わらず、誰もが胸を張って社会で活躍できる未来を心から望んでいます。



三原大臣ご自身も「障害は社会的障壁によって生み出されるものであり、こうした障壁を取り除くのは社会全体の責務」と発言されています。

どうか、そのお言葉を現場の改善につなげていただけますよう、心からお願い申し上げます。

7.ともに、前を向いて

私たち障害者は、理不尽な世の中であっても、毎日精一杯生きています。

健常者には想像できない苦労をしながらも、努力して日々を過ごしています。

だから、難病や障害を理由に卑屈になることなく、胸を張って自分の人生を生きていきましょう!

これからも私は、障害年金やNPOの活動を通じて、同じ境遇の方々を励まし、ともに前進していきたいと思います。

最後になりますが、

私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、

私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。



また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、

自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。

以上、『「障害や難病があっても、胸を張って生きられる社会へ」~社会的障壁をなくすために、私たちができること~ここが肝心!🙋~』についてでした。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋

『誰もが胸を張って社会で活躍できる未来、それが共生の社会です』
~障害や難病があっても、胸を張って生きられる社会へ~
2025年4月28日