特別編

『「障害年金『不支給急増』問題 審査が厳しくなった背景と、社会の『壁』を考える」~ここが肝心!🙋~』

前回は、『「障害や難病があっても、胸を張って生きられる社会へ」~社会的障壁をなくすために、私たちができること~ここが肝心!🙋』について、お話ししました。😄

今回は、『「障害年金『不支給急増』問題 審査が厳しくなった背景と、社会の『壁』を考える」~ここが肝心!🙋~』について、お話しします🙇。

みなさん、こんにちは。

私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。

「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。

あらためまして、みなさん、こんにちは。

こんにちは、今回は「障害年金の不支給が急増している」というニュースについて、詳しく解説したいと思います。

いったいなぜこんなことが起きているのか? 

当事者や家族、支援団体が抱える不安や疑問についてもまとめてみました。

1.障害年金の不支給が「前年の2倍以上」に急増!

2024年度、障害年金の申請で「不支給」と判定された人が、なんと前年度の2倍以上に増え、約3万人に達しました。

これは日本年金機構が統計を始めて以来、最も多い数字です。

審査を受けた人の約6人に1人が不支給となっています。


参考記事:

Yahoo!ニュース(共同通信配信)

南日本新聞

沖縄タイムス

2.なぜ急増した? その背景は「幹部交代」と「運用の厳格化」

判定基準そのものは変わっていませんが、2023年10月の障害年金センター長の人事異動をきっかけに、運用が厳格化したと多くの関係者が証言しています。

新センター長は「審査を厳しくするように言ったことはない」としていますが、現場では書類の要件が厳しくなり、追加資料の提出やカルテ開示の要求が増えました。

さらに、職員が判定医に対して「等級非該当」や低い等級を積極的に提案するケースが増えたことも明らかになっています。

これにより、同じ障害でも「どの医師にあたるか」で結果が左右される“当たり外れ”が生じ、公平性や透明性に疑問が生じています。


参考記事:
Yahoo!ニュース(共同通信配信)

沖縄タイムス

ろう者のための法律相談くま法律事務所

3.「食事が自力で摂れる」「薬を飲んでいない」…不支給の理由が多様化

「食事が自力で摂れる」「薬を飲んでいない」など、生活の一部が自立していることを理由に不支給となるケースが増えています。

書類不備や記載内容の不十分さ、日常生活や就労状況の詳細な照会など、審査運用がより慎重・厳格になっているのが現状です。

また、審査の中身が見えにくく、なぜ不支給になったのか分からないまま結果を受け取るケースも増えており、申請者の不安や不信感が強まっています。

4.障害者団体や専門家の怒りの声

知的障害者やその家族で構成される「全国手をつなぐ育成会連合会」は、「報道が事実なら看過できない」と抗議声明を発表。

厚生労働省に対し、事実確認と結果の公表を求めています。

団体は、幹部交代が不支給増加の要因であり、職員が判定を誘導していた可能性があるとの報道について「事実なら許しがたい」と強く批判しています。



参考記事:

47NEWS(共同通信)

北國新聞

福島民報

沖縄タイムス

Yahoo!ニュース(共同通信配信)

5.制度の透明性・信頼性が揺らいでいる

障害年金は障害者の生活の「命綱」とも言える制度です。

不支給の急増は生活や健康に深刻な影響を及ぼします。

審査の属人性や運用の厳格化によって、制度の客観性・透明性が損なわれていることが問題視されています。




専門家や支援団体は、審査理由や不支給の根拠を明確にし、納得できる説明責任を果たすこと、第三者機関による監視体制強化など、制度改革の必要性を訴えています。


参考記事:

Yahoo!ニュース(社説)

沖縄タイムス

福祉新聞(認定基準見直し要望)

6.まとめ:障害年金制度の信頼回復を!

障害年金の不支給急増は、幹部交代を契機とした審査運用の厳格化や職員による判定誘導、審査の属人性の高まりが主な要因です。

障害者団体や専門家からは、制度の公正性と透明性の確保、公的説明責任の徹底、制度改革の必要性が強く訴えられています。



障害年金制度の信頼性回復と、障害者の生活保障のための抜本的な見直しが、今、社会的に求められています。

関連記事や詳しい情報は、各リンク先をご参照ください。

みなさんも、ぜひこの問題について考えてみてください。

7.障害年金と「社会的障壁」――大臣の言葉とともに

障害年金は、障害のある人の暮らしと権利を守る大切な制度です。

しかし、申請や審査の現場では、制度の複雑さや社会の無理解といった“社会的障壁”に直面することが少なくありません。

こうした「社会的障壁」について、政府も明確な姿勢を示しています。

三原じゅん子・共生社会担当大臣は、公式の場で次のように述べています。

三原じゅん子・共生社会担当大臣のお言葉

「障害は、心身機能に障害がある方々の社会参加を困難にしている事物、制度、慣行、観念など、様々な社会的障壁によって生み出されるものであり、こうした障壁を取り除くのは、社会全体の責務であります。

真の共生社会を実現するためには、社会全体における意識改革を行い、社会全体が変わらなければなりません。」


内閣府・第3回障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた推進本部会合・議事概要

また、「障害の有無に関わらず、やりたいことを自由にできる社会になってほしい」「過去において障害のある方々が受けてきた差別、虐待、隔離、暴力、特別視といったものはあってはならない」とも強調し、現場の声や家族、支援者の苦労にも理解を示しています。



障害年金をめぐる課題は、まさにこうした社会的障壁の一つです。

申請や審査の「壁」を感じたとき、それは個人の責任ではなく、社会全体が取り除くべき課題である――。




大臣の言葉は、障害年金の現場で悩むすべての人にとって大きな励ましになるはずです。

障害年金の制度や運用も、当事者の声を反映し、誰もが尊重される仕組みへと進化していくべきです。



「Nothing about us without us(私たちのことを私たち抜きに決めないで)」。

障害者差別や社会的障壁をなくすために、私たち一人ひとりができることを考え、声を上げていきましょう。



【参考】

内閣府・第3回障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた推進本部会合・議事概要(PDF)

三原じゅん子大臣 公式X(旧Twitter)

最後になりますが、

私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、

私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。



また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、

自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。

以上、『「障害年金『不支給急増』問題 審査が厳しくなった背景と、社会の『壁』を考える」~ここが肝心!🙋~』についてでした。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋

「Nothing about us without us(私たちのことを私たち抜きに決めないで)」
~私たち一人ひとりができることを考え、声を上げていきましょう~
2025年5月5日