特別編

『「社会復帰・就労支援と障害年金の両立」~ここが肝心!🙋~』

~最新の障害年金申請事例・成功体験談と手続きポイントを徹底解説~

みなさん、こんにちは。

私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。

「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。

あらためて、みなさん、こんにちは。

徳島障害年金サポートセンターの楠 昇です。



前回は、「依頼者から届いた感謝のお手紙と、社労士の想い」について、現場の声とデータを交えてお伝えしました。

今回は、「社会復帰・就労支援と障害年金の両立」について、お伝えします。

まず、はじめに

障害年金の受給を目指す多くの方にとって、「働きたいけれど年金がどうなるか不安」「就労支援を受けているが申請に影響しないか心配」といった悩みはとても身近です。

実際、近年は就労支援サービスを利用しながら障害年金を申請・受給するケースが増えており、社会復帰と経済的安定の両立が現実的な選択肢となっています。

今回は、最新の申請事例や成功体験談をもとに、具体的な手続きの流れやポイントを詳しく解説します。

1.最新の障害年金申請事例・成功体験談

事例1:
うつ病でA型事業所を利用し障害年金受給まで



■背景

30代女性。長年うつ病で治療を続けており、社会復帰を目指して就労継続支援A型事業所に通所。

最初は週2日から無理のないペースで働き始め、徐々に生活リズムを整えていきました。



■申請の流れと工夫

支援員と密に連携し、障害年金申請の準備を開始。

初診日証明の取得では、複数の医療機関の記録や紹介状を集め、証明書類を早めに整備。

診断書作成の際は、就労支援の利用状況や職場での配慮内容(例:短時間勤務、休憩の多さ、業務内容の限定など)を医師に具体的に伝え、実態に即した内容を反映してもらいました。

申立書では、日常生活や就労上の困難さをエピソードを交えて詳細に記載。

たとえば「体調不良で欠勤が多い」「業務の指示が複雑だと混乱する」など、具体的な困難を説明しました。



■結果と感想

障害基礎年金2級が認定され、経済的な安定と社会参加を両立。

「働きながらでも年金を受けられる」と知ったことで、安心して自分のペースで社会復帰を目指せるようになったとのことです。

本人からは「年金の受給が決まったことで、精神的な負担が減り、就労意欲も高まった」という声がありました。

事例2:
発達障害で就労移行支援を経て年金受給・一般就労へ



■背景

20代男性。

発達障害の診断を受け、就労移行支援事業所でビジネスマナーやコミュニケーションの訓練を受けながら、一般企業への就職を目指していました。

支援員や家族のサポートを受けつつ、障害年金の申請に挑戦。



■申請の流れと工夫

診断書作成時には、支援員から「支援がなければ就労継続が難しい」「職場での配慮が必要」といった実態をまとめて医師に伝達。

申立書では、職場での配慮事項(例:指示は短く具体的に、静かな作業環境の確保)や日常生活での課題(例:公共交通機関の利用が苦手、スケジュール管理が難しい)を具体的に記載。

支援員の意見書も添付し、客観的な証拠を充実させました。



■結果と感想

障害厚生年金3級が認定され、安心して就職活動を継続。

最終的には一般企業に就職し、障害年金を受給しながら職場での配慮を受けつつ働くことができています。

「就労支援の利用歴や実際の困難さをしっかり伝えることが大切」と実感したそうです。

2. 具体的な手続きの流れと詳細ポイント

ステップ詳細ポイント・注意点
初診日証明の準備医療機関の受診歴を時系列で整理。
証明が難しい場合は、カルテや紹介状、第三者証明も検討。
診断書の取得医師に「現在の就労状況」「支援サービスの利用状況」「日常生活・職場での困難さ」を具体的に伝える。
申立書の作成1日の生活や仕事の流れを具体的に記載。困難な場面や配慮が必要な場面をエピソードで説明。
申請書類の提出必要書類(診断書、申立書、初診日証明など)をリスト化し、不備がないか複数回チェック。
相談窓口の活用社労士、障害者就業・生活支援センター、ハローワークなどに早めに相談。書類作成や手続きのアドバイスを受ける。

■ポイント解説

1.初診日証明の壁を乗り越えるには?

受診歴が長い場合や転院が多い場合、初診日証明の取得が難航しやすいです。

過去の診療明細や紹介状、場合によっては第三者証明(家族や支援者の証言)も活用しましょう。



2.診断書・申立書の質が結果を左右

医師に伝えるべきは「どんな困難があり、どんな支援や配慮が必要か」。

抽象的な表現よりも、具体的なエピソードや支援の内容を盛り込むことで、実態がより伝わります。

申立書も「できないこと」「困っていること」を一つずつ丁寧に書き出しましょう。



3.支援機関との連携が成功のカギ

就労支援事業所や障害者就業・生活支援センターの支援員は、申請手続きの強い味方です。

意見書やサポート内容の記録を添付することで、客観的な証拠が増え、認定の可能性が高まります。

3. 成功のポイント・よくある質問と回答

  • Q.働き始めても障害年金は止まらない?
    A.障害年金は「障害の状態」に基づき支給されるため、働き始めたからといって直ちに停止されることはありません。

    ただし、収入や就労状況が大きく変化した場合、次回の更新時に影響することがあります。

    就労内容や職場での配慮状況など、実態を正直に伝えることが大切です。
  • Q.就労支援サービスの利用歴は申請に有利?
    A.利用歴は「日常生活や就労上の困難さ」を客観的に示す材料となります。

    診断書や申立書に支援内容や利用状況をしっかり反映させましょう。
  • Q.Q. 申請でつまずきやすいポイントは?
    A.初診日の証明が取れない、診断書の内容が実態と合っていない、申立書が抽象的すぎる場合は、不支給リスクが高まります。

    専門家のサポートを活用するのがおすすめです。
  • Q.どこに相談すればいい?
    A.社労士や障害者就業・生活支援センター、ハローワークなど、複数の相談窓口を活用しましょう。

    特に、社労士は書類作成や手続き全般のアドバイスが可能です。

4. 申立書に書く際のポイント

1.申立書には、ご自身が日常生活や仕事でどのような困難を感じているか、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。

2.「いつ」「どこで」「どのような場面で」「どんな困難があったか」「どんな支援や配慮が必要だったか」をできるだけ詳しく書くと、状況が伝わりやすくなります。

3.抽象的な表現は避け、実際に困った出来事や支援を受けた経験を具体的に記載することが大切です。



このように記載することで、審査担当者にご自身の状況がより正確に伝わります。

5. 読者へのアドバイス・メッセージ

「働きたいけど障害年金がどうなるか不安」「申請手続きが難しそう」と感じている方も、実際の事例やサポート体制を知ることで、一歩踏み出す勇気が持てます。

障害年金の申請は一人で抱え込まず、専門家や支援者と一緒に進めることで、成功の可能性が大きく高まります。

まずは気軽に相談窓口を利用し、情報収集から始めてみてください。

ご相談や申請でお困りの方は、どうぞ一人で悩まずご相談ください。

最後になりますが、

私は、「県庁時代における障害福祉業務に従事した経験、また我が子のために障害者団体の役員に従事した体験」から、

私と同じく、障害や難病を抱えるみなさん、あるいは、かつての私と同様に、障害を抱える子供さんをお持ちの、お父さんお母さんのお力になれればと存じます。



また、私は、「仕事や家庭等を失っても、また社会復帰することができること」、あるいは、「難病や障害を抱えていても、こうして働くことができること」を、

自分自身の姿を見せることで理解していただき、現在、障害や難病でお悩みのみなさんにも、どうか諦めずに頑張っていただければと存じます。

以上、『「社会復帰・就労支援と障害年金の両立」~ここが肝心!🙋~』についてでした。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋

一人で抱え込まず、専門家や支援者と一緒に進めること
~成功の可能性が大きく高まります~
2025年7月21日