特別編

『「障害年金×地域応援 ~NPO法人しおんのセミナーと自宅開業サポート」~ ここが肝心!🙋』

みなさん、こんにちは。

私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。

「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、現在、活動中です。

あらためて、みなさん、こんにちは。

徳島障害年金サポートセンターの楠 昇です。



前回は、『障害年金の “再出発”――社労士自身が体験した「受給後の暮らし」から~ここが肝心!🙋~』について、お伝えしました。



今回は、『障害年金×地域応援 ~NPO法人しおんのセミナーと自宅開業サポート~ ここが肝心!🙋』をテーマにお話しします。

1.【はじめに】NPO法人しおんと私の歩み

ポイント|困難の中で「再出発」と「挑戦」を決意した原点を紹介します。

私は悪性再生不良性貧血・心臓弁膜症・うつ病を患い、平成20年7月に徳島県庁を退職しました。

その後、公営住宅でヘルパーさんの支援を受けながら単身生活を続け、療養と再出発の日々を送りました。

再就職活動では80社以上に応募し、全て書類選考で不合格という厳しい現実に直面しました。



「難病や障害を抱え、また乗り越えて、どのような人生を送りたいのか?」――私自身、その問いと向き合い続け、どうしてもまた働きたいという思いだけが心の底にありました。

そんなとき、事務所の大家さんの勧めで「障害年金支援」の道へ。


自分の体験が誰かの役に立つかもしれないという想いで、社労士として新たな一歩を踏み出しました。

2.挑戦と継続の大切さ

まとめ|希望が見えなくても「続けること」が道を拓く力になると実感しています。

開業後も簡単ではありませんでした。

免疫力の低下で社労士会の研修へ出席できず、地元の人脈もなく、仕事もなかなか得られません。



資金は自分の貯金のみ。

社労士会の会費や経費、生活費にも苦しみながらも、「成功するまで続けられた者だけが、成功者となれる」という信念を持って活動しました。



私の名刺には、デール・カーネギーのこの言葉を刻んでいます。

『この世で重要な物事のほとんどは、全く希望がないように見えても挑戦し続けてきた者たちによって、成し遂げられてきた。』



何もしなければ失敗もしませんが、成功もありません。

最初の頃の依頼は、「どこに相談しても申請できないと言われた案件」ばかり。

難しい案件から始め、必死に取り組み続けた結果、認定率100%を継続(7/31現在)し、3年目には経営も安定し始めました。

3.起業のすすめ ― 障害を抱える方へ

ワンポイント|自分の体調管理を最優先できる働き方が、障害者の起業最大のメリットです。

徳島のような地方では障害者雇用の機会が限られており、私も80社以上に応募しても採用されませんでした。

しかし、諦めず「起業」の道を選んだことで、働く機会と生きがいを得ることができました。

障害や難病を抱える方々には、「起業」を強くおすすめしたいです。



自分で起業すれば、全責任を自分で負う代わりに、全権限も自分自身が持つことになります。

「相手のことよりも自分の体調を最優先して」働くことができ、予定も自分でしっかり管理できます。



その代わりに、「できるときはとにかく仕事をするが、無理まではしない」という心構えが大切です。

実際、元気な時分に私がお話ししたことのある、徳島で長年自営業をされている方の中でも、「丸一日休みを取った人」にはこれまで出会ったことがありません

表向き「定休日」となっていても、普段の営業日にできないことを午後から出てきてずっとやり続けている

このような感じでした。



「暇さえあれば仕事をする」と言われたりしますが、「調子が悪くなければ仕事をする」と置き換えてお考えください。

障害や難病を持つ身で、健常者と同じ土俵で仕事をして競合するわけです。

甘い考えではとても太刀打ちなどできません

障害者難病で「健常者と同じことができない」ということから、自分だけのやり方を徹底して考えていきます。

私の場合は、周囲の社労士と違うのは、専門分野に特化したことです。



元気なら絶対に私はやりません。

株式でいうなら「分散投資」が安全ですし、1つの銘柄に集中すると当てが外れると、全てを失いますから。

ただ、必然に、「あれもこれもできるだけの余力が全くなかった」ことが理由です。

難病や障害を抱えていることで、やりたくてもできない

だから、できることを考えに考えて、それだけを実行した

ただ、それだけです。



当初、私は丸1年間過ごして、日々の就労時間を集計して年間労働時間を出したところ、4000時間を超えていました。

さすがにこのときは、軽い脳内出血を起こすなど、本当に命の危険を感じることもありました。

ですから、現在、ややセーブした状態ですが、こういう感じで日々過ごしてきました。

社労士の受験勉強を思い出してください。

3年間で1万時間を軽く超えるというのが、どういうことなのか、おわかりになると存じます。



ただ、それほど、自分でスケジュール管理ができない人には、地方の起業は向いていないかもしれません。

4.NPO法人しおんの活動

まとめ|小さな挑戦や失敗から「続けていく力」を養うことが大切です。

私が運営するNPO法人しおんは補助金に頼らず、自費で細々と運営しています。

大きなことよりも、「小さな試行錯誤を積み重ね、失敗から学び、支援につなげる」ことを大切にしています。

「失敗は成功のもと」

小さな失敗から学び前進することで、事業の継続が可能になると実感しています。

5.現在の取り組み ~自宅開業サポートと海外の事例

ポイント|仲間で支え合い、海外事例も参考に社会復帰への道をもっと広げたい。

今年4月からは、NPO法人しおんで「障害年金受給者の在宅起業」を推進。

現在5名の方が、自宅で事業を始め、ご自身の体調や生活に合わせた社会復帰に励んでいます。

地域の雇用やリハビリ機会の少なさを実感するなか、こうした取り組みは本当に必要だと考えています。



さらに、こうした動きは日本だけでなく海外でも見られます。

たとえば、Entrepreneur Mental Health Association(EMHA)。

EMHAは、うつ病や不安障害などを経験した起業家自身が設立した国際的なコミュニティで、「起業家のメンタルウェルビーイング(心の健康)を最優先に考えること」をミッションとしています。



仲間同士が支え合い、新しいチャレンジに挑む仕組みが、これからの日本社会にも必要だと感じます。

※「NPO法人しおん」のブログからhttps://shion-npo.com/102463/150894.html#contents

6.おわりに

メッセージ|「失敗を恐れず、まず一歩踏み出すこと」――心から応援しています。

私は、県庁時代の障害福祉業務や親として障害児団体に関わった経験を活かし、

「障害や難病を抱えていても社会で再び活躍できる」

その可能性を自分自身の生き様でお伝えしていきたいと考えています。



たとえ病気や障害で多くを失っても、人は再び立ち上がれます。

何もしなければ失敗もありませんが、成功も絶対にあり得ません。



私の経験が、悩みながらも挑戦し続けるみなさんの一歩につながれば幸いです。

以上、**「障害年金×地域応援 ~NPO法人しおんのセミナーと自宅開業サポート~」**についてお話ししました。🙇


それではみなさま、また来週の月曜日にお会いしましょう。🙋

『この世で重要な物事のほとんどは、全く希望がないように見えても挑戦し続けてきた者たちによって、成し遂げられてきた。』
~デール・カーネギー~
2025年8月30日