『「地方から「障害年金申請・審査請求」の現実を告発します~意見陳述の大切さ、そしてあまりに重い経済負担の現実~」~ここが肝心!🙋』
みなさん、こんにちは。
私は、徳島障害年金サポートセンターで障害年金サポーターをしている、楠 昇と申します。
「自らが病気で障害年金をもらった社労士が、あなたの障害年金のお悩みを解決」をうたい文句とし、本業の障害年金専門社労士として、またNPO法人の代表として、日々、活動を続けています。
あらためて、みなさん、こんにちは。
徳島障害年金サポートセンターの楠 昇です。
前回は、『障害年金と地方の見えにくい壁 ~「胆道閉鎖症・肝移植」家族の声から考える現実と制度の課題~ここが肝心!🙋』について、お伝えしました。
今回は、『「地方から「障害年金申請・審査請求」の現実を告発します~意見陳述の大切さ、そしてあまりに重い経済負担の現実~」~ここが肝心!🙋』について。
毎日様々な申請現場の困難、経済の壁、悔しさと直面しています。
今回は、「地方に暮らす障害者・家族の現実」と、「意見陳述」「交通費等経費の壁」について、徹底的に現状を告発させていただきます。
1.なぜ今“意見陳述”が大切なのか? ~書類だけでは救われない現場
2025年現在、障害年金に関する審査請求・再審査請求では、“意見陳述”(本人・代理人が口頭で意見を述べられる機会)の活用が極めて重要になっています。
なぜなら、書類審査だけでは伝わりきらない「実際の生活の困難」「移植前後の日常生活の変化」「家族も巻き込む介護・通院・制限」など、細かな実態・苦悩・将来への不安は、口頭・本人の声でなければ審理官(審査官)に 伝わらないことが多いからです
よくある事例では、病院の診断書や検査数値が要件を満たしていない場合でも、「吐血し緊急搬送」「頻繁な入退院」「主治医から日常生活全般での厳しい制限を明記した診断書」があれば、日常生活能力の観点で“再評価”を引き出すことができます。
実際に意見陳述の場で、生活現場の切迫した状況、あるいは医師の具体的見解を直接訴えることで、決定が覆るケースもあります。
2.「意見陳述」の光と影 ~地方ほど“口頭参加”は困難に
しかし、この“最後の希望”ともいえる意見陳述が、特に徳島のような地方では「現実には参加できない」方が続出しています。
その最大の理由は、審査請求での陳述会場(例:高松市厚生局等)までの「交通費・宿泊費などの経費」の自己負担です。
例えば、徳島県から高松市の会場に日帰りで出向くだけでも、
・交通費(高速利用):約1万円
・陳述日の社労士同行の日当(1日):約5万円
・着手金や事務手数料:5万円~10万円
・その他、郵送・資料印刷・書類作成実費:数千円~2万円
・最低でも合計10万円超となる場合が少なくありません。
これらは全額当事者自己負担であり、成功報酬や書類作成料などを別とすれば、審査請求だけで数ヶ月分の障害年金額が消える現実です。
3.経済的困窮と“泣き寝入り” ~支えられない国の壁
「母子家庭」「何度も入院し母子ともにうつ病」「家計がローンで困窮」――そうした相談に“経済が理由で最後のチャンスを諦めるしかない”と伝える悔しさは、言葉にできません。
地方においては、申請や不服申立てのたびに交通費だけでなく、
・書類取得代(診断書・証明書等):5,000~15,000円
・申立書等作成の自費用紙・郵送:数千円
と合算し、数万円~10万円以上が短期間で消えていきます。
■東京都や都市部との格差問題
・都市部では交通費が低い。
・サポート団体も多く、相談窓口等も複数存在。
・都市部では補助制度を設けているところもある。(※地方自治体では補助制度が見当たらず、途絶している)。
「都会なら救われていた」「地方だからあきらめた」――この格差は、制度の基本理念から外れた“重大な社会問題”です。
4.審査の厳格化・年金記録の“空白返戻”~新しい壁
2025年春以降、障害年金審査実務が制度改正で、さらに厳格化、形式的(“書類の表面のみ”)な審査となり、
・年金記録に「2~3年の空白」があるだけで「返戻・不支給」
・実際は「国民年金3号」を満たしているのに、記録上の不整合で書類が突き返される
・詳細な追加証明や再度の申立て・証書請求で、さらに経費が倍増
こうした“支給拒否の壁”がますます高くなっています。
地方ほど役所とのやりとりや再申請交通費がかさみ、交通弱者・高齢者・低所得層は、泣き寝入りせざるを得ない実態です。
5.意見陳述の制度的壁 ~交通費自己負担の大きさと現場の声
意見陳述は「本人の権利」であり参加は自由ですが、その交通費・宿泊費・付き添い費用は一切補助がありません。
・徳島~高松日帰り → 社労士日当・交通費で1回6万円~
・書類作成や他会場なら、2泊3日で10万円超も
・交通・宿泊環境悪化、公共交通削減で負担増
経済的困窮者への支援や旅費助成はほぼ無く(少なくとも徳島県では該当制度未確認)、法定の負担軽減策は皆無です。
6.全国的な「地方不利」と“申請できない壁”について社会に訴えたい
こうした現実は、厚生労働省や有識者、社労士会なども繰り返し、「地方不利」「地域間格差」「経済壁」「泣き寝入り増加」として、全国的な課題として報道・声明が出されています。
本来なら「意見陳述=本人・家族が自らの言葉で必死に訴えるチャンス」ですが、申請自体“経費が理由で”叶わない現状は、「国民皆保険」の精神からも大きく逸脱しています。
7.社労士の願い ~現場支援者としての責任
・制度の抜本改正(交通費助成、オンライン意見陳述等)
・地方・弱者を救う仕組みの創設
・形式的・機械的な審査運用の是正
・問題実態の全国的調査・社会的議論の深化
私は、社労士として、また元障害年金の受給者である難病や障害を持つ身として、さらに、重度知的障害児の親として、以上のことを切に社会に訴えたい。
「どんなに困難でも、“あきらめたら終わり”」――最前線で挑戦する皆さんの声・事例・苦悩こそ、制度を本当に良くしていく原動力です。
今後も、制度の壁に挑戦して実態を発信し続けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。ご相談・情報提供、ご意見をお待ちしています。
【徳島障害年金サポートセンター 楠 昇】
最後になりますが、
私は、県庁時代の障害福祉業務や親として障害児団体に関わった経験を活かし、
「障害や難病を抱えていても社会で再び活躍できる」
その可能性を自分自身の生き様でお伝えしていきたいと考えています。
たとえ病気や障害で多くを失っても、人は再び立ち上がれます。
何もしなければ失敗もありませんが、成功も絶対にあり得ません。
私の経験が、悩みながらも挑戦し続けるみなさんの一歩につながれば幸いです。
以上、『「地方から「障害年金申請・審査請求」の現実を告発します~意見陳述の大切さ、そしてあまりに重い経済負担の現実~」~ここが肝心!🙋』についてお話ししました。🙇
それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋
