基本編

『障害の程度要件について(呼吸器疾患)~ここが肝心🙋~』

みなさん、おはようございます。「障害年金の寺小屋」です。

前回、「障害の程度要件について(癌-悪性新生物)~ここが肝心🙋~」について、お話ししました。😄

今回は、「障害の程度要件について(呼吸器疾患~ここが肝心🙋~」について、お話しします。🙇



最初に、呼吸不全における認定基準では、

1.在宅酸素療法を施工中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に支障がある程度のもの➡3級

2.臨床症状、検査医成績、具体的な日常生活状況等によってはさらに上位等級に認定➡2級以上


と規定されており、また、



平成21年(国民年金)裁決(148号)では、

『「在宅酸素療法を施工中の動脈血酸素分圧(PaO₂)➡正常値」であるが、

「軽い労作経費的動脈血酸素飽和度(SpO₂)➡異常値まで低下する状態」である場合には、

認定基準の上記の2により、2級に該当する』

とされています。




まず、在宅酸素療法について動脈血ガス分析値を測定する場合には、「在宅酸素を施行した状態で測定するのか、または酸素を取り外した状態で測定するのか」について、認定基準では明記されていないものもあります。


このことについては、明記されているものや、あるいは身体障害者手帳の認定における動脈血分圧等の検査数値等と同様に、

「在宅酸素療法施工中の場合には、通常、酸素を取り外した状態にて機能障害をみるべきもの」


として取り扱われているようです。







次に、認定基準の検査所見の1つである予測肺活量1秒率を、計算する際の元になる予測肺活量(性別・年齢・身長から計算される標準的な肺活量)についてです。


これには次の2つの計算方式があります。

1.Baldwinらの予測式(欧米人の調査結果より作られ、従来から使われてきたもの)

2.日本呼吸器学会肺活量予測式(日本人の体格に合わせた計算式で、日本呼吸器学会から2001年に発表されたもの)




この両者のどちらを選択するかについても、認定基準では特に規定されてなく、また保険者からも特に指示はされておりません。


が、このことについて、身体障害者福祉法における身体障害認定基準において、2016年に厚生労働省通知により指示が出されているのは、上記2の「日本呼吸器学会肺活量予測式によること」等とされております。


このため、障害年金の申請にあたっても、従来の予測式である上記1ではなく、上記2にある「日本呼吸器学会肺活量予測式」によることが通常とされているようです。


なお、この「日本呼吸器学会肺活量予測式」を用いることで、上記1の従来の予測式では「軽度異常」、「中程度異常」とならない場合でも、異常値となる場合があるそうです。







ところで、肺気腫での在宅酸素で、障害厚生年金2級から1級への額改定請求が、審査請求により1級に容認されたことがあります。

1.室内空気下でのPaO₂の高度異常

2.常時酸素吸入が必要

3.車椅子介助が必要で自力歩行がほぼできない状態

ということを総合的に判断してのことから、1級に容認されています。





以上のことから、実生活の状況を医師にお伝えして、診断書における一般状態等を適切に評価していただくことが、大切であることがおわかりいただけると思います。





以上、「障害の程度要件について(呼吸器疾患)~ここが肝心🙋」について、お話しました。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋





なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇


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