基本編

「初診日について③~ここが肝心!🙋~」

前回は、「初診日について②~ここが肝心!🙋~」について、お話ししました。😄

今日は、その続きとして「初診日について③~ここが肝心!🙋~」をお話しします。🙇



前回、「初診日がハッキリしなければ、他の要件もことごとく変わってしまう」ということをお話ししました。

だいたい、年金事務所では相談に行くと、試験のテキスト同様にまずは「保険料納付要件」から説明されると思います。


原則はそのとおりなんですね。

確かに障害年金制度は、国民年金の保険料をきちんと納めた方の権利なんです。


ということは、年金事務所は「保険料をきちんと払ってください~!」と指導すべき立場として、「なぜ国民年金に入っているのか?」ということを言わないといけませんから。

「保険料の納付」がまずあって、その次に「障害年金制度」がくるという感じです。



が、みなさんと私たちお手伝いをする社労士は、「障害年金の申請」をまずしようと考え、そのためには「障害年金がもらえることを示すこと」が大事となります。


もらえることをハッキリできなければ、障害年金の認定を受けることはできません。

だから、同じ制度に絡むことでも、お互いの立場、立ち位置でみる視点が違うことから、こうなってきます。




さて、この初診日がいかに大切で、証明できないときは本当に大変だということを、前回お話しました。


証明できないと申請を受け付けてもらえないことが起きてくるので。

とても面倒な感じがしますね。。。😰



では、今度は反対に初診日の関連でも、障害年金をもらおうというみなさんには良いところがあります。

その一つが「社会的治癒」ということです。


・・・・・・・・・・・・・

男性Aさんはうつ病によって障害基礎年金をもらっていました。


そのうち、療養を続けるうちに調子がだいぶ良くなってきて、また働くことになりました。


ただ、まだまだ完全に治ったわけではありませんので、お医者さんのところには通わなければなりませんでした。


治療を続けながら働くこと5年以上にもなりました。




その間、最初はパートで働いていましたが、本当に調子が良くなったので主治医に相談し、Aさんはまた常勤で働くことになりました。


このとき、正社員となったことで厚生年金に加入しました。

そして、障害年金の次の更新時期がやってきて、Aさんは障害等級が3級に。


障害基礎年金は2級までしかないので、もうもらうことができません。


でも、元気になったAさんは、お給料も他の同僚と同じく会社の規定通りにもらえて、毎日頑張って働いていました。



ところが、Aさん。


職場の中で仕事の配置転換があり、新しい部署へ配属になりました。


以前の部署はパートから入ったこともあって、上司や同僚たちもAさんを気遣ってくれていたので、常勤になってもAさんにとっては大変居心地の良い職場でした。

が、次の職場はそのような配慮はなく、代わりに会社の中ではより重要な部署であったのです。


いわゆる抜擢だったのですが、この環境の変化にまだうつ病が治りきってないAさんは、またうつ病を悪化させてしまい、会社を辞めざるを得なくなってしまいました。


・・・・・・・・・・・・・・・


このとき、Aさんは51歳で、もう障害基礎年金は既にもらってはいません。


が、そのもらうことができる権利、受給権はまだ消滅してないのです。


障害等級に該当しなくなって3年経つこと、及び65歳を超えること、この両方が満たされない場合、受給権はそのまま残ることになっています。


悪化したということで、またそういう手続きをすれば障害基礎年金をもらうことが可能です。




ただ、このとき、Aさんは相変わらず通院はしていますが、周囲の同僚と同じように働き、それに見合うお給料ももらっています。


世間ではこういうことを「寛解」と言われたりしています。


『病気の治療は続けているけど、もうみんなと同じように働いて自活できている状態。』


医療の世界ではまだ治ったとは言えないとしても、障害年金の世界ではこのような状態を「社会的治癒」という言葉で呼ぶことがあります。





「社会的治癒」は、障害認定を受けてみないとわかりませんが、認められたなら「Aさんは既に治っていた」ことになるのです。

ここまでお聞きになって、「いったい何が言いたいのか?」と思われる方も多いと思います。


ここで少し考えてみますと、「前の病気が治っていた」ということは、今度のいわゆる「再発」、(このAさんは治ってないけど)、の場合は『これまでの「うつ病」とは「全く別の病気」』ということになります。

そうすると、新たに初診日のことからまた始めなければなりません。





が、このときはAさんは「初診日に厚生年金に加入」していることで、今回の認定では以前の障害基礎年金ではなく、「障害厚生年金」の申請をすることが可能となります。


もしも、こうしたことで新たに申請をし直して障害認定が下りると、Aさんは以前の障害基礎年金の月額65,000円からではなく、今度は最低でも月額約110,000円の『障害基礎年金+障害厚生年金』をもらうことができるのです。




ただし、このことを申請して認定されなくてはなりません。


普通に、ただ「悪化した」という手続きをしたとすれば、Aさんがもらえるのは「障害基礎年金月額65,000円」そのままです。





もちろん、社会的治癒が認められるように、書類を集めて整理して申請することが必要です。


また、申請すれば認められると決まったものでもありません。


でも、やらなければそのままです。



このようなことを気づき、みなさんにお伝えしてサポートするために、私たち障害年金専門の社労士は存在するのだと、私はいつも思っています。




以上、「初診日について③~ここが肝心!🙋~」について、お話しました。🙇

では、来週また月曜日にお会いしましょう!😄


また、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇


『変化を避けることで今より良くなることができる!~ルーティンワークのすすめ~』 [ウエルカムようこそ! NPO法人しおんのサイトへ ~障害年金の相談を通じて経済的にサポート~ 「うつ病対策」「自殺防止対策」] (shion-npo.com)

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『自分自身の存在意義~情けは人のためならず』
~他の人のために何かをすることで、その人だけではなく、自分自身の心そのものも救われる~
2023年11月6日