『「病歴・就労状況等申立書の大切さ」について
~ここが肝心🙋~』
みなさん、こんにちは!「障害年金の寺小屋」です。
前回は、「障害の程度要件について②~ここが肝心🙋~」について、お話ししました。😄
まだまだこのシリーズを続ける予定ですが、今日はちょっと違う話となります。
『「病歴・就労状況等申立書の大切さ」について~ここが肝心🙋~』について、お話しします。🙇
最近、よく耳にすることがあります。
「障害年金は診断書次第だ」
年金事務所で社労士である年金相談員さんにも言われたことがありました。
「自分で申立書が書けない人が社労士に頼めば良い」
(ここでは、病歴・就労状況申立書=申立書とします。)
正解のようですが、一部、間違っています。
では、「いったい何が間違っているのか?」
ご説明をいたします。
まずは、診断書をA、申立書をBとします。
「A=障害認定」ではないこと。
「B=障害認定」でもないこと。
「A+B=障害認定」が正解です!
どういうことかと申しますと、ズバリ、「申立書は診断書を補完するもの」となります。
詳しくは、障害年金の診断書は普通の診断書と異なり、きちんと規定された様式があります。
その数も8種類。
病気の種類や本人の状態によって使い分けをするわけです。
ところで、この診断書、8種類を全部並べてジックリ見ていただくとします。
すると、一目瞭然!
それぞれ、内容が微妙に、あるいは全く異なっていることに気づかれるはずです。
これは、病気の中には詳しく検査したデータが存在するものと、精神の病気のように全く存在しないものがあるわけです。
検査をされている場合は資料としてコピー等を資料として添付できます。
が、その中でも特に重要なものについては、医師が診断書に記入しなければならないように、診断書にその記入欄等がおかれています。
ここでですが、この診断書と申立書はともにA3という大きさの用紙であり、両面となっております。
要するに、記載できるスペースが限定されているわけです。
検査の有る無しにかかわらず、障害認定の際に必ず書かなければならない事項が存在します。
そのことが障害認定で一番大事な事項となります。
それは、申立書の名称にもあるとおり、「就労状況」と「日常生活の状況」なんです。
障害認定は、病名で行われるものではありません。
この2つのことが、
「病気やけがによってどういった差し支えが生じているのか?」
ということから認定がなされることになります。
このことを判断するために必要とされるのが、診断書であり、また申立書であります。
ここで、先ほどの診断書が8種類あると申しましたが、種類によってはこの大事な2つの内容をきちんと記入する欄が、用紙のスペースの関係でないことがあります。
「だったら、別紙を付けたら良いじゃないか?」
確かにそうとも言えます。
ただ、お医者さんは患者の治療を行うことが本来のお仕事です。
医師法等で規定がされている、こうした診断書作成義務のようなものは、「治療が受けやすいように配慮する」ことからあるものであって、あくまで「患者に早く良くなるためにも、患者に対して治療に専念できるように」ということからのものとなります。
診断書を作成するためにお医者さんがいるのではありません。
私たち社労士の中にも、まして「障害年金専門」とうたっている社労士の中にも、勘違いしている者が随分と存在するように見聞きします。
このことをはき違えてしまうから、現在、誤解されてしまい残念ながら、医師の中には社労士との接触を拒否される方もおられるようです。
さて、このような事情により、作成される診断書におさまりきれない「就労状況」や「日常生活の状況」を補完、つまり「補うことを申立書で行う」ことになります。
そうすることで、「診断書+申立書=障害認定」という図式を完成させることが、「障害年金の申請」ということになります。
だから、簡単なものであれば患者ご本人でも可能ですが、込み入った内容のものとなればなかなかできるものではありません。
ここで、私自身の話を少ししてみたいと思います。
私は今から15年くらいも前になりますが、自分自身の病気のことで自ら障害年金の申請をいたしました。
当時は、障害年金の専門の社労士などいない上に、「社労士」という言葉すら耳にすることもありませんでした。
私は、うつ病で休職・復職を繰り返していたことで、今、この業務をしていても「よくもまあできたもんだ」とゾッとするくらい複雑な内容でした。
医師に勧められて障害年金のことを知り、私は申請するために医師に診断書を作成依頼したところ、診断書には「たった1行の文言」しか書かれていませんでした。
このとき、難病も併発していたことから、1月以上もかけて、私は本当に四苦八苦して申立書を下書きして、医師に手渡しました。
すると、その医師は「これは何ですか?」
このようなことで、診断書を見たとき、「私は必死になって書いたのに」と涙が溢れてきました。
それでも、「もう自分は終わりだ」と考えて「早く終わりにしたい」と日々、どうやって死のうかと思うほど辛い毎日でした。
このため、
「せっかく、一生懸命に書いたのだから」
と思い、それをきちんと見直し修正して清書し、「たった1行の診断書」とともに障害年金の申請を行いました。
後日、まだ私が病気療養中にそのコピーを見た他の精神科医の先生、数人が、
「3級すらもらえないんだよ」
と私に言われて、クビを傾げていました。
私は、病気によって20年以上患い、仕事を続けることができず、入退院を繰り返すなかで、ローンを払い終わった自宅、家庭を失い、難病をも患い、公営住宅で単身にてヘルパーさんの介助により生活することになったことを書きました。
そして、毎日、私のお世話をしていただきながら、私の様子に涙されるヘルパーさんの涙ながらのお手紙を付けて、申請をいたしました。
そこには、元の職場の恩師たちからの「もうなんと言って良いやら・・・」という、お見舞い?の手紙等も付け加えて、私は「どうせもう終わった身だから」と思い、またこの気持ちも別紙にまとめてお手紙として付け加えました。
そうして、諦めていましたが、認定されました。
今の私が尊敬する主治医もかつて、国民年金の障害基礎年金の審査を県単位で行っていたときに、その認定する側の委員の一人でした。
その主治医さえ、「診断書で認定されるもの」と思い込んでいたようでした。
このため、私が現在、このようにお話ししても「奇跡のような」で終わってしまします。
精神科の場合、レントゲン等が存在しないことで、医師の診断書で決まるということが、こうした専門医でさえ思われてきたことなんです。
私は、自分自身がこうして障害年金を専門に仕事をすることになって、自分自身のこのことがやっと理解できました。
が、ついでに遡及できずに5年間の分を損していたこともわかってしまいました(苦笑)
もう古くなってしまったことですが、このときの書類のコピーは記念としてでしたが、今では「仕事の上での自分への戒め」として大切に保管してあります。
額に入れて展示しておこうかとさえ思っています。
「なおざりに仕事をしてはならないんだ」という気持ちにさせてくれるからです。
「私が体験したことを、この仕事にも活かせていこう」
私は、私に依頼される方を同じ思いにさせたくはありませんから。
だから、「どうせ診断書のとおりにしかならないのだから」と、完全に人任せにしてしまうのではなく、自分でできることもあるということを理解されて、もしも自分でできないとわかったときには、こうして専門の社労士を探すことを、私はかつての年金を申請した者として、是非、お勧めさせていただきます。
くれぐれも、「A+B=障害認定」であることを忘れないでいただきたいと思います。
以上、『「病歴・就労状況等申立書の大切さ」について~ここが肝心🙋~』について、お話しました。🙇
それではみなさま、来週また週月曜日にお会いしましょう。🙋
なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇
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