特別編

『「医師による診断書の作成」について🙋』

みなさん、おはようございます。「障害年金の寺小屋」です。

前回、「障害の程度要件について(代謝疾患-糖尿病
)~ここが肝心🙋~」について、お話ししました。😄

今回は、「医師による診断書の作成」について、お話しします。🙇




最近、ここ2月の間に当事務所が依頼された障害年金の申請に絡み、主治医が診断書を書かない、あるいは、患者本人の日常生活等の様子と異なる記載をして、そのことをお伝えしても修正どころか、患者本人に納得ができる説明がなされない案件が、立て続けに3件ありました。

このことについて、当事務所は何度も病院に対し、封書にて資料を添えて照会させていただきましたが、当事務所にも患者本人や家族にもきちんとした説明はありませんでした。



患者は治療を行っている医師に対して、残念ながら弱い立場にあります。

それは、「もしも適切な治療を行ってくれなくなったら・・」という恐れからです。

今回は「末期癌の方」や「動脈瘤の手術を控えた方」などでしたが、きちんと治療も実施し支払いもしていることから、診療報酬も請求されているはずなのです。


診療報酬も請求されているので有れば、当然、カルテにも記載が有るはずとして、やむを得ず、本人やその家族に対して、当事務所は「カルテの開示請求」をされるようにお話しをいたしました。



障害年金の専門家としては、開示したカルテの中身やデータとして残された画像をもとに、医師に対して患者本人とともに、「このカルテの内容を記載していただけないか?」とお尋ねする他ありません。

一つの病院の事務部門の責任者の方からは、「カルテの開示請求により医師に依頼してもおそらくは診断書を作成しないと思います」とも言われました。


当事務所では、社会保険労務士として社会保険の手続きについて、報酬を受け取り独占業務として行うことができます。

弁護士以外の他の資格ではこうした行為は禁じられております。




ところで、医師が診断書作成をあくまで拒否した場合、患者本人には提訴により損害賠償請求が認められたケースが存在します。(東京簡易裁判所平成16年2月16日判決-慰謝料請求の裁判(民事))。

これは、医師法19条2項で「診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。」と規定されているためです。

それは、

①診断書が詐欺、脅迫等不正目的で使用される疑いが客観的状況から濃厚であると認められる場合

②医師の所見と異なる内容等虚偽の内容の記載を求められた場合

③患者や第三者などに病名や症状が知られると診療上重大な支障が生ずるおそれが強い場合


など、「特別の理由が存する場合に限って、拒否すべき正当事由が存在するとして交付義務を免れることができると解するのが相当である」とされております。


それ以外の場合は基本的に診断書の作成を拒否することはできないと考えられているようです。



また、この判例では次のように示されています。



「検査に異常が認められず他覚症状も認められない場合には、その旨を患者に説明し、それでも診断書の交付を求める者に対しては、本人の訴える自覚症状(主訴)及び検査、診察の結果、医師としての判断した結果を記載した診断書を交付すべき義務があり、交付自体を拒否することはできないと解するのが相当である。」




以上のように、医師は診断書についてはこうした交付義務があります。

医師法との関係については、弁護士に法律相談などにより解決することが必要かと思います。



ただ、前述のように、患者は医師よりも弱い立場であることから、泣き寝入りのようになってしまうこともあるかと思います。

この私自身も病気療養中に同じ目に遭ってきました。

直談判はしましたが、それも転院することを前提にした次第で、直談判はしてもそれ以上はとても病状から行える状態ではなく、付き添いのヘルパーさんに隣で「これで本当に良いのですか?」と泣かれてしまいました。



私は公務員であった際に学んだように、「地位利用」は決してあってはならないことだと思っております。

障害年金の申請代行業務をしながら、そういう理不尽なことがないようにといつも願っている次第です。


ただ、「権利」とか「義務」だとか、そういう言葉でギスギスしたやり取りではなく、今の混沌とした世の中ではどうにもならない、また、できないことが多いのも事実です。

こうしたときにこそ、「お互いさま」という気持ちで人と接することが大切ではないのでしょうか?







生活が、就労がこれまで通りにならなくなったときにこそ、障害年金制度がお役にに立てるものだと私は思います。


税金を原資とする生活保護とは全く異なる制度であって、障害年金制度は真のセーフティネットです。


医師方にも国民のみんなが安心して医療を受け続けられるように、私は障害年金の制度のきちんとしたご理解をいただき、ご協力をお願いしたいと存じます。





以上、『「医師による診断書の作成」について🙋』を、お話しました。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋





なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇




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