特別編

『社会的治癒について~ここが肝心🙋~』

みなさん、おはようございます。「障害年金の寺小屋」です。


前回、「障害の程度要件について(気分障害と就労)~ここが肝心🙋~」について、お話ししました。😄

今回は、「社会的治癒について~ここが肝心🙋~」について、お話しします。🙇




「社会的治癒」とは、請求者の利益を守るための考え方です。

たとえば、国民年金に加入中に、ある傷病が原因で通院していたが、治癒したので元気に働き始めたとします。

ところが、再び同じ傷病(古傷・持病)で通院するようになったり、障害状態になったりした場合、初診日は国民年金加入中なのか、あるいは、厚生年金保険加入中なのかで迷うことがあります。

また、国民年金加入中に初診日があった場合、それから10年も経つとカルテがないことが多く、初診日の証明ができず、結局障害年金の手続きを諦めてしまうことが多々あります。




そういった場合に、「社会的治癒」を主張することにより、厚生年金保険に加入中に初診日があるとして手続きを進めることができます。



「社会的治癒」の成立には、以下の2点が必要です。

1.傷病が、医学的な意味では治癒したとはいえないが、その症状が消滅して社会復帰が可能となっている。

2.投薬治療もなく、外見上治癒したと見えるような状態が、ある程度の期間にわたって継続することです。



障害年金の保険給付上は、これを「治癒」として取扱っています。

簡単に言えば、

『以前病気だったが、一定期間は、普段通りの生活を送ることができた場合はその病気は治ったものとして、障害年金の保険給付の上では取り扱いを行う』

ということです。





「社会的治癒の法理」については、次のように言われています。


『傷病の治癒に関する一般人のいわば素朴な感覚を尊重し、これに基づいて、初診日の設定を行なうことにより、障害年金の保険給付の充実を図ろうとするもの。

いわば被保険者の救済のために考え出された法理であり、その性質からいって、保険者の側でこの法理を持ち出し、障害年金の保険給付をしないための論理とすることはできない。』




以上のように、社会的治癒は法律や規定として定義されたものではなく、取扱いとして運用されているものです。

そのため、実際の認定は事例ごとに異なっております。




以上、「社会的治癒について~ここが肝心🙋」について、お話しました。🙇

それではみなさま、来週また月曜日にお会いしましょう。🙋


なお、よろしければ次のブログもご覧になってください🙇


『社会的治癒について』 [徳島障害年金サポートセンター ライトハウス社会保険労務士事務所:認定率100%継続中] (lighthouse-sharoshi.com)


『何でも出来る人なんて存在しない~「常識も変わっていくものだ」~』 [~障害年金の申請を通じて経済的負担を軽減~『うつ病対策』『自殺防止対策』] (shion-npo.com)   毎週金曜日更新!


『人を元気にできるのなら、またそれは自分をも元気にしてくれるもの-2』~電話してみました~ | 悔いのない人生をおくるために~かかりつけ医のような社労士を目指して (ameblo.jp)   原則週一不定期更新!

社会的治癒を援用する4つの場面

障害年金を請求する際、もっとも大切なことは初診日をはっきりさせることです。

なぜなら、初診日を基点として以下の4つが決まるからです。

1.納付要件の確認
2.請求する制度(基礎年金・厚生年金)の決定
3.障害の程度を定める障害認定日(原則、初診日の1年6ヵ月後)
4.障害厚生年金の基本額を増額したい


精神疾患の初診日は、原則として病名を問わず、メンタル不調で初めて医療機関を受診した日ですが、社会的治癒の仕組みを使えば、請求上の初診日を動かすことができる場合があります。

『スタート地点を変更してみる』
~出だしが違えばあるいは?~
2024年6月10日